密室のシャワールームにて――ギャルから洗ってもらう甘々な一時

 シャワールームに入る。

 二人だとさすがに窮屈きゅうくつだ。

 ほぼ密着する形となり、そんな狭い空間でシャワーを浴びた。


「それじゃあ、流すね」


 ゆっくりとシャワーを当ててくる。

 真帆は手を使って、指でなぞるように俺の体を洗う。



「くすぐったくない? うん、大丈夫そうだね。じゃあ、まずは胸の辺りから――」



 ごしごしと手を使って洗ってくれる。

 けど、指がくすぐったい。


「逃げちゃだ~め。潮水を流さないとベタベタするんだから」


 それもそうか。


「お腹の辺りとか、うん。おっけー。あとは……えっと、その」


 なんだか股間に視線を感じる。

 って、そこはまずい。


 俺は遠慮しておいた。


「そ、そか。足の方を洗うね」


 震える口調で真帆はシャワーを続けていく。かなりくすぐったくて、今にも腰が砕けそうだ。でも、俺は耐える。

 せっかくの真帆の好意を無駄にしない為にも。



「膝のところを……っと。うん、あとは弁慶の泣き所ね」



 聞きなれない名称に、俺は思わず大笑い。爆笑してしまった。



「ちょっと笑い過ぎだよ、君ー! 弁慶の泣き所ってね、すねのところだよ」



 へえ、そうなんだ。

 そんな言い方があったんだ。



「もぉ! あんまり笑うと洗ってあげないよ。……って、そんなに謝らないで。ちょ、土下座しようとしないでよ、君。そこまで言ってないでしょ。困るって」



 いや、あまりに申し訳なくなってしまった。

 爆笑しすぎた。



「し、仕方ないなぁ。続けるね」



 足の裏まで洗って貰った。

 次に背中を向けた。



「背中も丁寧に洗っていくね」



 小さな手が俺の背中を撫でる。


 背になってから沈黙が続いた。


 シャワーの音、真帆の指のひとつひとつの動作。それが確実に伝わってきて、身が震える。



「ちょっとシャワーが強かったかな。……うん? そうじゃない? 違う? えっ、あたしの指使いに興奮しちゃったんだ。へぇ~」



 小悪魔スマイルで笑う真帆は、どんどん上達していた。

 指使い方がその道のプロになっていた。


 ずっと。

 ずっとこんな時間が続けばいい。



「はい、おしまい。えっ……もう少し洗って欲しい? どうしようかな~。って、また土下座しようとするし! ここ狭いんだから止めてー! 分かった。分かったから、もう土下座はナシ! ほら、そこに立って背中を向けて」



 再び背中を洗ってもらう。

 のんびりとした時間が続いていく――。

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