20.甘くない
珈琲についてきたシロップを、沙紀は無言で脇へ除けた。
「ほんと甘いの嫌いだよね」「苦手なのは仕方ないよ」
沙紀はいつもこう。珈琲も紅茶も、甘くないのがいい――なんて信じられない。
「芽衣子と一緒なら、糖分はそれだけでたっぷりだからね!」
出てくる言葉は、こんなに甘いのに!
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