3.文鳥

小さな骸を掌で包み、綾乃は泣く。

「文鳥、どの子も卵詰まりで死んじゃう」

ふと、馬鹿なことを思う。綾乃の卵を抱いて死にたいなって。

身の内を綾乃で一杯にして、そのまま息もできず――

ああ、でも違う。文鳥を殺したのは、この子自身の卵。

私を殺すのは、膨れた自分の想いだけ。

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