14.幽暗

幽暗、とは、今のような時のことなのだろう。

陽は沈みきり、でも闇にもなりきらず、ものの輪郭だけが薄闇にぼんやりと残っている。

赤い蝋燭に火を灯し、私は魔法陣へ呪文を唱える。

生と死の狭間の瞬間。今回こそは逢えるだろうか。

亡き姉への昏い思いは、昼にも夜にも似合わない。

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