1.黄昏

夕焼けの海を見る志織。冷えたコーラを首筋に当ててやると、背筋がぴくりと跳ねた。

「なに黄昏てんの。私たちこれからでしょ」「そうね、綾香」

どちらからともなく手を重ねると、薬指の指輪が当たった。掌がもうすっかり皺だらけ。

2065年7月1日。ようやく、私たちは夫婦になった。

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