尾八原ジュージさんの作品

「缶チューハイを抱きしめた男が占い師を訪ねる話」

https://kakuyomu.jp/works/16817139555222012569



「グッバイマイサン、ハローニューワールド」

https://kakuyomu.jp/works/16817139555630618786



「誕生日」

https://kakuyomu.jp/works/16817139555967171874



草くんコメント

 三作も提げて乗り込んできた書き手さんは尾八原ジュージさんのみである。発射速度の速さにも舌を巻いたが、それぞれまったく異なる読み味であることにも目眩を覚えた。

 一作目の「缶チューハイを〜」は、端的に表すならばバイオレンスホラーと言ったところだ。平山夢明先生の理不尽暴力小説に近いと感じた。遠慮のない主人公の暴力は気持ちがいい。

 二作目の「グッバイマイサン〜」はなんとコメディである。それもおそらく不条理コメディの類で、不条理成分がちょうどいいためコメディとして受け取りやすい。最もハッピーな雰囲気でもあり、性器が◯◯するという設定に反して、間口がとても広いと思われる。

 三作目の「誕生日」はホラーを下地にした文芸小説の装いだ。個人的にはこちらを最も気に入った。死者の声を聞けるのはホラーの登場人物か、事件を読み解ける探偵のどちらかだと私の推しが言っていたことを思い出した。余韻のある、切ない幕切が秀逸だった。

 三作とも楽しませていただいた。本当にありがとうございました。



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