第8話 2-1日目 異世界で稼いだゴールドが消えた
目を覚ましたら、宿屋の天井が見えた。前回より余裕があった僕は「知らない天井だ」と言ってみたかったセリフを言ってみた。
・・・少しはずかしくなったのでごまかすために
「ステータスオープン」とステータスを確認した。
【名 前】 ユウヤ・コバヤシ
【年 齢】 18歳
【種 族】 人族
【性 別】 男
【称 号】 Eランク冒険者・女神ユリアンヌの加護
【レベル】 3 → 5
【H P】 50 → 70
【M P】 40 → 60
【体 力】 20 → 30
【筋 力】 25 → 35
【敏 捷】 18 → 26
【知 力】 21 → 27
【魔 力】 20 → 30
【スキル】 鑑定・アイテムボックス
剣術LV2・火魔法LV2・水魔法LV2・治癒魔法LV1
スキルポイント倍増・気配察知・身体強化・状態異常耐性
【スキルポイント】 4
「お~。レベルが2も上がってるぞ。それにスキルポイントも4増えてる。やっぱりスキルポイント倍増は正解だな。能力も上がって、冒険者のランクも上がった。順調に異世界生活を始めてるな。」
僕は現実モードから異世界モードへと気持ちを切り替えた。
「よし。何か良いスキルがないか早速探して見るか」
僕はスキル一覧を開いて取得できるスキルを探していった。
「スキルポイント倍増のようなスキルがあったら早めに取得したいよな~。今後何かあった時の為に、ポイントは残しておきたいけど」
そう思いながらスキルを探していると気になるスキルを見付けた。
「転移!?これはチートスキルだ。ほしい~。」
僕は転移に目を奪われて瞬間『転移』スキルをクリックした。
『このスキルを取得するにはポイントが足りません。』
が、スキルは取得できなかった。
「えっ。ポイントは4ポイントあるからいけるはずだけど・・・」
すると、『転移』スキル・・・5ポイントと表記されていた。
「ガーン!!全てのスキルが1ポイントでとれるわけじゃないの~・・・。これは今後の為にポイントは溜めて置かないと」
ポイントを貯める事を決意したユウヤだが、3秒後、『レベルアップ時の能力倍増』のスキルを発見し3ポイント消費してスキルをゲットした。
「まあ、必要なモノは、見つけた時に取らないとね。我慢して死んでしまったら意味ないもんね」
僕は誰も聞いてないのにいいわけしながらスキルを取った事を正当化した。
「よし。じゃあ今日もまずはギルドに行って情報収集だ。」
僕は階段を下りて宿屋のカウンターに向かいカギを預けた。
すると、
「ユウヤさん。昨日までしかお金をもらってないけど、今日からはどうしますか?」
と宿屋のおかみさんに問いかけられた。
「え~とそうですね。又3日分お願いします。」
もうちょっと良い宿に移動したい所だが、まだまだ駆け出しの為、今回の3日間もこの宿に泊まる事を決めた。
「ギルドカードで支払いは大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫ですよ。」
僕はギルドカードを渡した。
「では3日で30ゴールドになります。」
「あらっ。ユウヤさんカードに1ゴールドも入金されてませんよ」
おかみさんは衝撃的な事を言った。
「えっっっ。そんな事はないはずですけど・・・・」
(もしかして・・・異世界で稼いだゴールドは円に変わったのか)
僕は不意に食堂でアイテムボックスに入っていた9,650円を思い出した。
(そういえば、3日目の残金が965ゴールドだった。そしてアイテムボックスに入ってたお金は9,650円・・・・そういう事か!!)
僕はあのお金の意味を知った。
そう。あのお金はゴールドが円に換金されたモノだったのだ。
(という事は・・・)
僕はポケットをあさるが、1ゴールドも入っていなかった。
あせった僕は
「すいません。夜までに稼いできますので部屋は確保しておいてくれませんか」
おかみさんに土下座する勢いで頼み込んだ。
「まあかまわないよ。だけどユウヤさん。いくら冒険者だからって少しは貯金しておかないと大変だよ」
もっともな事をおかみさんから言われ僕はダッシュで宿屋を出ていった。
(あせった~。まさか初日と同じ事をするとはな~。でもこれでお金の謎は解けたな。ここで稼いだお金が円に変わるんだな。)
(あれっ。でも待てよ。って事は異世界に来たら毎回0ゴールドから始まるのか??しかもこっちなら弁当は1食5ゴールドで買えたよな。向こうでマックとか牛丼は500円だろ。5ゴールドは50円だよな・・・)
ゴールドと円の関係性について思考していると
(えっめっちゃ損してるじゃん。向こうの食事をもってこなくてもこっちで弁当買いだめする方が10倍も得じゃん。えっ。10倍損したのかよ。)
ユウヤは気づいた。こちらでモノを買う方が得であり、現実世界で買うと損をするという事に・・・そして毎回無一文からはじまるという事にも。
「これは一度しっかり考えないといけないな。でもまずは今日の宿代だ」
そう言って、ユウヤは今日も冒険者ギルドに向かっていった。
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