(22) 純情
(1)
失くした口紅 見つけた日は
華やぐ心を抑えきれない
染まる頬さえ愛おしく
かすかに微笑み涙する
還らぬ昨日の悲しみなんて
とりとめのない日記のようなものだから
かざした手のヒラ眩しくて
指でなぞった「愛」の字に
言えない名前 思い出す
今はただ ほのかなあなたへの思い
優しく抱き締め 震えていたい
(2)
ためらう指先 綴った文字
白紙の行がただ切なくて
書きかけて消す その言葉
ため息混じりの走り書き
つまらぬ昨日の道草なんて
青みがかった檸檬のようなものだから
「好き」と言えるはずもなく
雨の匂いにおびえては
いつかの笑顔思い出す
時はだた静かに移ろいゆくけれど
染められてみたい あなたの色に
今はただ ほのかな あなたへの思い
優しく抱き締め 震えていたい
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