⑤ 割れたグラス
(1)
「今度いつまた会えるの?」と心で何度も繰り返し
あなたの背中 見送るわ もうすぐ他人になるふたり
困らせること 知りながら
そっと袖口 つけてみた 薄くれないの紅のあと
たぶん あなたは気づかない
あと少しだけ もう少し
せめて微笑み作るまで
せめて あかりを灯すまで
私の傍にいて欲しい
(2)
「さよならするのが辛いの」と
あなたの胸で泣けたなら 小さな嘘も許せそう
ドアを閉めたら遠い男(ひと)
あなたにとって最後まで可愛い女でいたかった
西陽が沈む部屋のすみ
割れたグラスが光ってる
いいのよ いいの このままで
左手だけが知っている 指輪の痕の悲しみと
重ねた指の切なさを
あと少しだけ もう少し
せめて微笑み作るまで
せめて明かりを灯すまで
私のそばにいて欲しい
私のそばにいて欲しい
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます