切れたらもう戻せない


 切り取り線は、至る所に走ってる。道の端、教室の天井、私を取り巻くすべてに。

「簡単に切れちゃいそうで、恐い」

 知らないうちに、切り離された側に自分が立っていたとしたら。きっともう戻れない。それだけはわかる。

 早く千切れてしまえと呼ぶ“あっち側”の隣で、私は今日も怯えているんだ。




【お題:切り取り線】

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る