片想いを乗せて


 がたん、がたん。カーブを通るたびに電車は揺れる。いつもの車両にいつもの顔ぶれ、毎朝変わらない光景だ。

 一際大きく傾いだとき、トンッと制服の肩同士が触れ合った。

「すみません」

「いえ、こちらこそ」

 交わす視線と言葉に、今度は鼓動が揺れる。がたん、がたん。毎朝、私の密やかな楽しみ。




【お題:がたん】

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