59. 料理
最近、色々な食材が揃いつつある。
それで俺的には料理がマイブームになりそうな感じなのだ。
この前の唐揚げなんかがそうだ。
「ということで、今日は、オムレツを作ります」
そう。念願だった。
卵、ミルク、バター、そして塩
これだけあれば作れる簡単メニューでありながら、ことごとくその材料が揃っていなかった。
今は、全部あるのだ。手元に。
「卵焼き好き。だけどいつも食べてるよね?」
「いや、まあそうなんだけど、ちょっと違うんだよ」
そう単に卵だけの卵焼きとは、違う。
それぞれの食材が織り成すハーモニーというか、黄金比というか。
卵に塩だけだった最初だって、そのときは十分、美味しいと思っていた。
でも違うんだ。やっぱり最高には最高の組み合わせがある。
とにかく、オムレツだ。
卵、ミルク、塩胡椒を混ぜておく。
フライパンにバターを落とす。すでにいい匂いだ。
バターが溶けたら材料をフライパンの奥に入れ、スクランブルエッグみたいに素早く混ぜて固めていく。
ある程度固まってきたら、フライパンを揺すってオムレツの形になるようにひっくり返す。
俺は生が残っている半熟よりも、ぎりぎり緩く固まってるぐらいが好みだ。
それにこの世界の卵の安全性にも疑問があるので、生っぽさは控えめに。
そして固まりきって、固くなっちゃう前に、火からおろす。
「おーお」
メアリアも感心のできのようだ。
フライ返しのような調理器具もドドンゴから購入済みだ。
ちょっと不思議そうなリズとドロシーに見られながら、それっぽいオムレツを作りだした。
せっかく綺麗な形にできたけど、四人分に、いや、違うな、ドアのところから
そして、ああ、オムレツだけではない。
俺は壺からスプーンでケチャップを塗って見せる。
夏に収穫したトマトを潰してケチャップのようなものを作ってあった。
ケチャップって単純にトマト潰しただけじゃダメなんだよ。それじゃトマトピューレになっちまう。
タマネギや胡椒がないと、それっぽくはならない。
タマネギは前からあったから大丈夫だ。
俺の転生したらトマトケチャップチートをしようとして、調べておいたのを覚えていて、本当に良かった。
ケチャップには、調味料や香味野菜が必要なのだ。どやあ。
それでもこの世界にトマト、タマネギ、塩、胡椒、とかが無かったら意味なかった。セーフ。
「赤いね変わってるわ」
「トマトケチャップだよ。トマト煮込みの調味料」
「ふうん」
まずドロシーから順番にケチャップを回す。
みんな匂いを嗅いだりしながら確認しつつ、オムレツに塗っていった。
「じゃあいいかな。いただきます」
「「「いただきます」」」
みんなで合わせて、いただきますする。
こういうところは田舎なのに行儀がいい。
「「「おいしーーーー!!」」」
みんな揃って、うれしい悲鳴を上げた。
でしょでしょ。やっぱり材料がちゃんと揃った料理は、すごく美味しいんだよ。
「卵だけよりずっと美味しい。なにこれ魔法みたいだ」
ジェシカも気に入ってくれたようで何より。
さて、他の料理もやってみよう。
「バターを使います」
「バターはいい匂いだものね」
「うん」
ジェシカさすがお目が高い。
「ジャガイモを使います」
「なるほど、それで」
「ふふん。じゃがバター」
「そのままだ」
「といいたいけどオーブンが無いので、フライパンでできる、ジャガイモとベーコンのバター焼きにします」
「おお」
そのままだよな。
作り方は比較的簡単。
フライパンにバターを入れて溶かす。
ちなみに、うちのバターは塩入りの有塩バターってタイプになっている。
ジャガイモとベーコンを入れて
そして塩胡椒で味を調えたら、はい、完成。
「「「おいしー」」」
ああ、これもシンプルだけどうまい。
ベーコンの元からの塩味もいい感じ。
ちなみにベーコンは父ちゃんが取ってきたイノシシのベーコンで自家製だ。
全部からっからの干肉にしないで、
正直、美味しい、以上になんといえばいいのか、語彙力がない俺にはよくわからない。
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