第4話

「お前がプランクトンで俺が魚だから」


「いや、俺が鷹でお前がウサギだから」


 あれから言い争いが変な所までいってお互いが食物連鎖の上に立とうとしていた。


 他の奴からしたら醜いかもしれないがこっちは本気でやっている。


「話変わるけどお前って彼女いんの?」


 言い争いはもう飽きたから普通に質問してみる。


 これは意外と今後重要になってくる質問だ。


 まぁ、無いかもしれないけど俺じゃなくてレンに女の子が惚れてしまうかもしれないから、1人でもライバルは減らしておきたい。


「いねぇよ」


「だろうな」


 こいつモテなさそうだもん。


「じゃあ聞くなよ」


「幼馴染みはいるのか?」


「幼馴染みはいる」


「は?」


 は?


「お前どういうつもりで今まで俺に接してきたんだよ」


「な、なんだよ。いてもいなくてもお前には関係ねぇだろ」


「関係あるに決まってんだろ!お前幼馴染みいたのかよ!ふざけんなよ!ずるい事すんなよ!」


 いいなぁ〜。


 俺も幼馴染み欲しかったなぁ〜。


 転生前も転生後にも幼馴染みがいなかったからなぁ。


 やっぱり幼馴染みが1番なんですよ。


 だから漫画やアニメに出てくる幼馴染みが負けヒロインの風潮が嫌いなんだよ。


 俺にも幼馴染みがいたら結婚なんかすぐに出来たのになぁ。


「またお前の事が嫌いになったわ」


「幼馴染み如きで」


 如き?


 またコイツの事嫌いになったわ。


「ごめん、待った?…ってなんかもう雰囲気悪くない?」


「「別に」」


 コイツのせいで最悪の待ち時間だったよ。


 それに「ううん、全然待ってないよ」って言うチャンス逃してしまったじゃねぇか。


 今ものすごいイライラしているけどマイちゃんが来たからなんとか抑えないとな。


 こんなイライラしていたら子供っぽく見られてしまうから、大人の余裕ってやつを見せないとモテなくなってしまう。


 それにしてもマイちゃんは可愛いなぁ。


 動ける服装で来ているからオシャレな感じでは無いけど、着こなしてる、だから可愛い。


 それ比べてレンの馬鹿は服に着せさせられているから、服が勿体無い。


 あと、顔がキモい。


「マイちゃんの服似合ってるね」


 かぁ〜、出ちゃいました。


 これがモテる男の立ち振る舞いってやつなんですよ。


 服装を褒める。


 褒めるだけで良いんだからみんなもやった方が良いよー。


「ありがとう」


 はい、マイちゃんの笑顔のありがとういただきました。


 確実に近づいてるよ、結婚に。


「ジンくんはあれだね、…ちょっとだけ変だね」


「グゥゥゥゥ!」


 マイちゃんの言葉でレンが吹き出してしまった。


「おい、何笑ってんだよ」


 吹き出してこっちに顔を見せないようにしている。


「別に笑ってねぇよ」


「嘘つくんじゃねぇよ、俺ちゃんと見てたからな」


 別にあれだし、俺の中でこの服は三軍の服だから。


 全然オシャレな服着てこいって言われたら全然着てこれるから。


 それにマイちゃんは素直で良い子なんだって分かったから全然プラスだから。


 俺って好きな女の子のタイプ素直な子だからマイちゃんがタイプな女性って知れて嬉しいー。


「悪かった悪かった、笑って悪かったよ。だから泣くなよ」


「はぁ?泣いてねぇし」


 俺はマイちゃんに見られないように急いで涙を拭う。


 通りで目頭が熱かったわけだ。


「ごめんね、私も悪気なく言っちゃった」


 じゃあ本音だったんだね…。


 え、そんなにこの服ダメ?


「いや、全然気にしてないから。服って着ないと捕まるから着てるみたいな感じだから」


 正直服って邪魔じゃね?


 なんで着なくちゃいけないの?必要なくね?男は肉体で勝負するのがかっこいいから。


「まぁ、その話は置いといて、今日の目的はマイちゃんの依頼だから」


 もう服の事には触れさせない。


「じゃあレフの森へレッツゴー!」


 強制的に話題をずらし、レフの森へと足を進める。


 結婚と服はなんの関係ないから、こっから本番だから。


 だからもう俺の服については何も言わないでくれ。



 

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 22時にも投稿します。

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