第329話 サラサ&ライシャとの時間 2
「とりあえずグリーンランド、ダークランド、センターランドの現状を見ていいかな?あれからこっちの大陸にも来てないから今がどうなってるのか全然わからないんだ。その後、世界樹に行って精霊のリンにも意見を聞いた方がいいかもな。」
「わかったわ。私とサラサで事前に色々考えたんだけど、クリフが見て何か良い案が浮かべば助かるわ。」
「ちなみにライシャとサラサが考えてた事って?」
「センターランドに各国との転移魔法陣を置いて、向こうから人をこっちに呼び込むって案よ。安直だけど、この島に人が入れるようにするのは転移魔法陣しかないからね。自然は豊かだし、ゆっくり過ごしたい人がこっちにきてくれたらと思ってね。」
「まあそれしかないよな。後は、エルフやダークエルフが集落を作ってて生活してるならこっちに呼び込む事もできるかもな。この大陸には世界樹がある訳だし。学生時代の同級生にはエルフがいたし、意外に探せばいるのかもしれないぞ。」
「たしかにそれは言えてるわね。私達ダークエルフも、サラサ達エルフに取っても世界樹ってかなり重要だもの。私達はずっとここにいたからありがたみが半減してるかもしれないけど、この大陸にいない人達にとっては移動して永住したくなるほどの事かもしれないわね。」
「だろ?まあそれぞれの村でちょっと話を聞いてみるか。受け入れるにしてもそれぞれの村が嫌がったら別の方法を探さないといけないし。」
「それもそうね。じゃあまずは私の村から行きましょう。ライシャもかまわないわよね?」
「ええ。」
(グリーンランドに行くのも久しぶりだな。結婚式でサラサにプロポーズした後に、長への報告で一回行ったぐらいだよな?半分はセンターランドに移動してるみたいだし、人数は少なくなってるだろうな・・・。)
クリフ達は、その後、グリーンランド、ダークランドと回ってセンターランドに来ていた。
「そう言えば、宿はどうするんだ?ここってエルフとダークエルフの町だから宿屋なんてないだろ?」
「安心してクリフ。センターランドには私とライシャの家があるの。今回はそこで寝泊まりする予定よ。でもたしかにクリフの言うように宿ってないわよね。これからの事を考えたら必要よね?」
「そうだな。世界樹があるから観光地みたいな感じでいければ人はけっこう集まるだろうし、グリーンランドの長も、ダークランドの長も、サラサやライシャと同じように将来をきにしていたし、人が集まる方法は早急に考えないといけないな。それにしても意外だったよ。どっちの長も人が増える事に大賛成だなんて。普通血が薄まるとか、例えばハーフエルフなんかは嫌われるとかあるのかと思ってたよ。」
「クリフが来るまではそんな感じだったわよ。ここまでになったのはクリフのお陰よ。大陸を救ってくれて、他の大陸と交流もできるようになって、考え方が大きく変わったのよ。」
「なるほどね。まあ危機感もあっただろうね。若者がドンドンいなくなるんだから。血とか言ってる場合じゃないんだろうね。」
(とりあえず問題点は見えた。やる事は簡単だ。この大陸を観光都市にするんだ。移動方法の確立と、世界樹の安全確保が明日するべき事だな。転移魔法陣を設置しすぎると各国からクレームもあるだろうけど、世界樹の事は素材を通して各国も知ってる事だし、俺とのつながりも知ってるんだ。世界樹の所に行く事ができるとなれば反対はしないだろう。素材を勝手に取ったりする人も出てくるだろうから、その辺はあすリンに相談だな。)
センターランドに到着したクリフ達は、サラサとライシャが住む家へと向かった。
「センターランドはグリーンランドやダークランドと違って賑わってるね。」
「そりゃそうよ。世界樹の素材はここから世界各国に運ばれるんですもの。最近は加工はエターレインでしてるけど、世界樹の素材の確保に森の素材、海産物なんかも全部ここに集まるから当然よ。エターレインにあるモノだって、ここにきてからグリーンランドとダークランドに運ばれるからね。」
「なるほど。そりゃそうか。ならエターレインに行かなくても世界樹の素材はここでしか買えないようした方がおもしろいな。その方が多くの人が集まるだろ?」
「それは良い考えね。エターレインとの転移魔法陣を自由に使えるようにしてくれれば、向こうで加工して再度こっちに持ってくる事ができるし、こっちで加工ができるようになればなおさら良いわね。」
「世界樹の素材をここで販売・・・考えても見なかったわ。でも世界樹はここにしかないんだもの。それはとても良いと思うわ。むしろそれが一番良いと思う。」
(俺ってなんだかんだ言って、意外に内政してるんだな。エターレインはセリーヌ達が中心に発展させてたし、魔国だってメインは魔族達とセリーヌ達だ。俺が立案して他の人が行動する。なんか社長みたいだな。でもまあ俺も専門知識がある訳じゃないし、あるのは前世の記憶と、大好きなラノベの知識ぐらいだ。適材適所だよな~。遊園地とかが作れるなら面白いんだけど・・・。世界樹を一望できる観覧車とか絶対人気が出るよな~。まあそこまでの技術力はまだないだろうけど。何をしていくかはサラサとライシャに相談だな。ってか、サラサとライシャの家でかいな!?)
サラサとライシャの住む家は、センターランドの中でも一際大きな家だった。家に入ったクリフは、二人の為に料理を作り、3人で世界樹の大陸を観光大陸及び世界樹素材の産地&販売地とするために夜遅くまで打合せを続けたのだった。
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