第182話 邪神の信者グローヌ教皇を倒せ!!
大聖堂でグローヌ教皇を追い詰めたクリフ達。
グローヌ、カイロン、ケイロンの3人は黒い錠剤を飲み姿を変えた。
帝国で勇者が黒い錠剤を飲み姿を変えたように、グローヌ達は黒いオーラを出し、翼が生えて肌が黒くなっていく。手は爪が伸びて、人間の容姿をしていなかった。
どちらかと言うと魔物に近い姿に変わったのだった。
クリフ達はそれぞれ、クリフがグローヌと、グランがカイロンと、スイムとクインがケイロンと対峙した。
セリーヌ、ジャンヌ、ソフィアと、ユーナ、アリスの五名はそれぞれ結界魔法を使って自分自身とイマデア枢機卿を守りながら、戦いを見守っていた。
クリフはグローヌと対峙する。
「グローヌ教皇。あなたは何をしたかわかってるんですか?その姿はもはや魔物ですよ?」
「ふふふ。姿なぞ関係ない。求めていたのは力だ。我々聖国がこの世界で一番になる為に。その為に邪神と協力したのだ。あんな小娘に従うのは気に食わなかったが、今思えばこんな力をくれたんだ。感謝するほかないな。」
「そこまで堕ちてるのか・・・。」
「堕ちた?何を言うこれは進化だ。人間は全て我等に従う存在なのだ。我らこそ人間の上に立つべき種族だ。みよこの力を。」
グローヌが手を振ると衝撃波がクリフを襲った。
クリフは障壁を展開して衝撃波を防いだ。
「教皇。いや邪神の信者だな。お前もう人を止めてしまった。せめて僕の手で倒してあげるよ。それは勇者である僕の役目だ。」
クリフはそういうと聖剣と神剣を呼び出す。
『エバにラン。久しぶりだね。』
『マスターお久しぶりです。召喚して頂きありがとうございます。』
『マスター。本当だよ。なかなか呼んでくれないんだもん。僕ずっと待ってたんだよ。』
『ラン。我等が呼ばれない方が平和という事なんですよ。』
『それはわかってるけど・・・』
聖剣エクスカリバーのエバに、神剣デュランダルのランを呼び出したクリフ。勇者になった時に聖剣エクスカリバーは片手剣に、神剣デュランダルは短剣へと姿を変えていた。
『2人共力を貸してくれ。聖国の教皇が黒い錠剤を飲んで姿を変えてしまった。帝国の時と一緒だ。』
『邪神の種を飲んだんですね。わかりました。』
『僕を使ってよ。邪神なんか敵じゃないよ。』
クリフはエバとランを両手に握る。
「なんだ!?それは!?」
「これは聖剣と神剣。僕は今代の勇者クリフだ。悪はゆるせない。僕の手で倒す。」
クリフは握った剣を構えてグローヌに飛び掛かる。グローヌはクリフの速度についていけなかった。
それもそうだろう。今やクリフはこの世界最強のステータスを持っている。
元々が勇者パインよりも弱いグローヌ教皇がいくら邪神の種を飲んでも、クリフが帝国で倒した悪堕ち勇者パインよりも強いはずはなかった。
クリフは教皇の背後をとると、両手の件を振りグローヌを切り刻んだ。
「せめて邪神の種を飲まなければ生きれたかもしれないのに・・・。」
「そんな・・・ばかな・・・」
グローヌはあっけなく、クリフに倒されたのだった。
「まあこんなもんでしょ。いくら邪神の種を使ったって僕の方がチートだったって事だね。」
グローヌを倒したクリフは、グランとスイムにクインを確認する。
どちらもカイロンとケイロンを倒したみたいだった。
「グラン。さすがだね。」
「まあのぉ。邪神の種を飲んだとはいえ、練度も低い。我の敵ではないのぉ。」
「スイムにクインもお疲れ様。」
「マスター!スイムがんばったよ。」
「クインもがんばりました。」
「うん。邪神の種を飲んだ敵を倒したんだ。十分誇っていいよ。」
クリフはスイムとクインの頭を撫でた。頭を撫でられてどちらもうれしそうだ。
「クリフ様!大丈夫ですか!」
スイムとクインを撫でてるとセリーヌ達がクリフに近づく。
「うん。大丈夫だよ。グランとスイムにクインが良くやってくれたからね。セリーヌは大丈夫だった?」
「はい。みんなで結界魔法をつかってましたから。それにクリフ様達は圧倒的でしたので、こちらに被害は全くありません。」
「それなら良かった。」
「クリフ君。ありがとう。君のお陰で聖国は邪神の脅威を振り払う事ができた。」
「イマデア枢機卿。僕は当たり前の事をしただけです。ユーナが助けを求めていたから助けに来た。勇者として邪神の信者を倒した。ただそれだけですよ。」
「さすがは王国の英雄だな。ユーナが執拗に君の話をするわけだ!!」
「ちょっと!!!イマデア枢機卿。」
ユーナは顔を赤くして、イマデア枢機卿に駆け寄った。
「ああ。すまない。それよりもこれから大変だぞ。枢機卿の投票も延期だ。グローヌの悪行を公表して聖国を建て直さないといけないからな。」
「イマデア枢機卿!僕達も手伝います。なあみんな?」
「ええ」
「もちろんよ。」
「まかせて。」
「クリフ様。セリーヌ。みんなありがとう。」
その後、グローヌ教皇、カイロンにケイロンが邪神の信者だった事。聖なる塔での出来事など、グローヌ教皇の悪行を公表した。聖国はマリオ前教皇が亡くなった時以上に混乱したが、イマデア枢機卿と聖女のユーナを中心に聖国を建て直して行くのだった。
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