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ベルピー
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第171話 イマデア枢機卿から語られる聖国の闇・・・
フロッグ亭でイマデア枢機卿と無事に会ったクリフはお互いの自己紹介などの雑談を少しだけ行い、本題に入った。
「それでイマデア枢機卿。ユーナは?いや聖国はいまどういった状況なのでしょうか?」
「ああそうだね。順を追って話をしていこう。あれはユーナが帝国から戻ってきた時からかな。マリオ教皇の具合が悪くなり人前に出る事ができなくなったんだ。」
それからイマデア枢機卿は聖国で起こった事を話し始めた。
「元々聖国はマリオ教皇をトップにして、その下に聖女ユーナがいる。そして、教皇と聖女をサポートする実務部隊として私を含めた4人の枢機卿がいるんだ。グローヌ枢機卿、ゼイロン枢機卿、アマリ枢機卿、そして私だ。教皇は代々枢機卿の中から選ばれる。そして枢機卿は大勢の司教、大司教による推薦と投票で決まるんだ。」
「そして、マリオ教皇とユーナ、私の3人は聖国が周りを支配するのではなく、全世界が対等で協力できる世界を目指して活動していた。対して残りの枢機卿は全世界に教会を置く聖国は他の国よりも上であるべきだ。という思想で行動している。だからこの聖国は教皇派と反教皇派の二つの勢力があったんだ。」
「今までバランスが取れていたが、マリオ教皇の具合が悪くなった事がきっかけでそのバランスが崩れてしまってね。」
「反教皇派の勢いが強くなったんですか?」
「ああ。ユーナはマリオ教皇のお世話でなかなか動けなかった。さすがに私一人では対抗できなかったよ。」
「なるほど。」
「だけど、ユーナの看病もあり、マリオ教皇は回復に向かっていた。しかし急に体調が悪くなってそのまま死んでしまったんだ。」
「それって・・・反教皇派の仕業ですか??」
「私はそう思っている。そしてユーナとともにマリオ教皇の死について調べていた。だが・・・」
「証拠は見つからなかったんですか?」
「ああ。そればかりかユーナが大聖堂から出て来なくなった・・・きっと何か弱みを握られて監禁されているに違いない。多分アスカを人質に取られているんだろう。あれからアスカの姿も見てないし。」
「アスカ?」
「ああ。ユーナと仲の良い友達兼お世話役だよ。」
「ああ。ユーナといつも一緒にいた子か。たしかアスカって名前だった気がする。」
「もしかしたらユーナはマリオ教皇の死の真相を知ったのかもしれない。だからグローヌに捕まってるのかも。さすがにマリオ教皇がなくなってユーナまで死ねば聖国はガタガタだ。グローヌがいくら教皇になったからといって、ユーナを殺す事はできないと思う。だけど、何があるかわからない。色々と行動しているのだが、なかなか助け出せなくてね・・・」
(なるほど。大まかに状況はつかめたな。多分イマデア枢機卿の言うようにユーナは何か知っている。だから監禁されているんだ。殺されてないのは聖女という肩書に利用価値があるから。なら利用価値がなくなったらユーナは殺される。さてどうしたものか・・・)
「イマデア枢機卿。大聖堂に忍び込んでユーナを助ける事はできる。と思います。ですが、ユーナを助けた後の行動が決まっていないと意味がありません。その辺は何か考えていますか?」
「そこまではまだ決まっていない。ユーナが教皇の死とグローヌとのつながりの証拠を持っていればそれを使ってグローヌを失脚させる事ができるとは思っているが・・・」
(そこがポイントだよな。ユーナを助けても証拠を持っていなかったらグローヌを追い詰める事が出来ない。)
「だが我々には時間がない。」
「どういう事ですか?」
「教皇が変われば、新たに枢機卿を選ぶ投票が行われる。それが2週間後にあるのだ。そこできっと私は枢機卿から外されるだろう。そうなったら聖国はおしまいだ。グローヌの派閥の者が枢機卿になれば帝国や王国との戦争も考えられる。」
「「「!!!???」」」
「だからそれまでにグローヌの悪行の証拠を掴んでアイツを失脚させないとならんのだ。」
「イマデア枢機卿。僕達は今日の朝、大聖堂でグローヌ教皇に謁見しました。そこで感じた事があるんですが、グローヌ教皇は邪神と繋がってます。」
「何!?邪神だと!!」
「まちがいないかと。」
「邪神というとユーナが帝国で邪神の呪いのついた首飾りを付けられたと聞いたが・・・」
「はい。3大国交流戦の後、邪神の信者と思われる者が姿を消してます。もしかするとその後、聖国に来て、教皇をなんらかの方法で殺したのかもしれません。」
「そんな事が・・・」
「可能性としては高いと思ってます。グローヌ教皇を直接見ましたがそれ程脅威には感じませんでした。それこそ証拠を残さず前教皇を殺す事なんかできるとは思えないですね。」
「ユーナも邪神の事に気付いたから捕まったと?」
「そうですね。その可能性もあります。ユーナは帝国で邪神の信者と会ってますし、邪神の事も知っています。邪神とグローヌが繋がっている事が証明できれば教皇の座から降ろす事もできると思います。」
「なるほどな。そうするとクリフ君にかなりの負担を掛けてしまう事になるが・・・」
「気にしないでください。元々、聖国へはユーナのSOSがあったから来たんですから。」
「ありがとうクリフ君。」
「それじゃあ今後の行動を決めていきますね。まずは邪神の影響がどれくらいの人に出てるのかを調べる必要があります。これは僕とグランでやります。僕達なら邪神の気配に気づく事ができますので。」
「私達は何をすれば?」
「イマデア枢機卿は他の枢機卿の動きを調べてください。他の枢機卿もグローヌ教皇と同じ派閥という事は今回の枢機卿の投票の件で何かしらおかしな動きをするかもしれません。」
「わかった。」
「それから・・・」
その後、クリフ達とイマデア枢機卿達は今後の行動を綿密に打ち合わせをしてから解散するのだった。
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