第8話 プラシーボ効果?!

 四:マジか・・・・あの『睡眠導入剤』、ホントに胃薬だったとは・・・・藤沢の奴っ!でも、考えてみりゃあいつが眠れねぇほど繊細な訳無えし。それに俺、本当にぐっすり眠れたんだよなぁ。プラシーボ効果、ねぇ?単純な奴程効果が出る、とは言うけど・・・・俺、そんな単純か?

 悠:しじょー

 四:・・・・ん?ちょっと待てよ?と、言うことは、だ。これからも胃薬を『睡眠導入剤』だと思い込んで飲んでおけば、悠木の隣でも爆睡できるってこと、か・・・・?

 悠:しじょー?

 四:いやいや、思い込んでおけばって、なんだよ?そんなんできるなら、そもそも薬なんて、いらないだろ。俺は寝られる!って、思い込めばいいだけで

 悠:そんなに、眠れないのか?

 四:え・・・・わっ!なんだ悠木、いつの間にっ?!

 悠:さっきから、いた

 四:えぇっ?!

 悠:大丈夫か?眠れないなんて、どこか悪いんじゃないのか?

 四:・・・・いや、むしろ健康で元気過ギルノデハナイカト

 悠:運動不足、か?

 四:・・・・な意味で、な

 悠:じゃあ


 ジーッ


 四:・・・・えっ?


 ドキドキドキドキ


 悠:腕立てと腹筋、50回ずつ

 四:へっ?!

 悠:足りない、か?

 四:いやいやいやっ

 悠:じゃ、腕立てから

 四:の運動では・・・・

 悠:ん?

 四:・・・・ガンバリます


 イチッ、ニッ、サンッ、シッ・・・・


 悠:しじょー、あれだけ汗かいたら、眠れるかな。にしても、あの『眠くならなくなる薬』、本当にただの胃薬だったのかな。あんなに全然眠れなかったのに。プラシーボ効果っていうのは知ってるけど、まさかあんなにすごいなんて。・・・・もしかしたら私、今までずっと、『眠くなってしまう』って、思い込んでいただけなのかな

 四:あー、サッパリした。悠木、お先〜

 悠:でも、違う。そんなこと、ない。しじょーがくれる安心感は、絶対に、思い込みなんかじゃ、ない。

 四:・・・・おーい、ゆうき〜?

 悠:そうそう、この声だってやっぱり、ドキドキするけど、落ち着くっていうか・・・・眠気を誘う、と言うか

 四:なんだ、もう眠いのか?

 悠:ひゃっ!しじょー、いつ・・・・

 四:ん?さっき。で、もう眠いのか?

 悠:大丈夫。シャワー浴びてくる

 四:途中で寝るなよ?

 悠:・・・・うん


 スゥスゥ・・・・zzz


 四:即落ちかいっ?!でもまぁ、こうなるよなぁ・・・・さすがに今日は、俺も眠れそうだけど


 ギュッ


 悠:なつ、き・・・・


 スゥスゥ・・・・zzz


 四:・・・・俺の不眠の原因は、お前なんだからな?まったく・・・・頼むから、これ以上俺を元気にさせないでく


 chu☆


 悠:う、ん・・・・

 四:えっ

 悠:だい、す・・・・き


 スゥスゥ・・・・zzz


 四:ウソでもいいから、胃薬飲んどきゃ良かった・・・・こんなんじゃ、ぜんっぜん、眠れそうもねぇや。体は疲れてるっつーのに・・・・くぅっ!

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