第5話 四条の限界

 四:辛い・・・・俺、非常に、ツラい・・・・


 スゥスゥ・・・・zzz


 四:すぐ側にいるのに、何にもできない・・・・これ、何の罰ゲームだ?俺、何か悪い事、したか?


 悠:んっ・・・・ん~・・・・なつ、き

 四:これだよ、これっ!ほんと、わざとじゃ、無いよな?本当に寝てるんだよ、な?


 ギュッ


 四:わっ!・・・・るい?

 悠:う~ん・・・・


 スゥスゥ・・・・zzz


 四:当たってるし、色々。動けないし、俺。全然、眠れないし。目、冴えまくってるし。・・・・これ、何の拷問だよ(T_T) しばらく泊まるの、やめようかな・・・・いや、そうしたらこいつ、気にするだろうし、変なところ勘がいいからな、悠木は。いつもは天然で鈍感なクセに


 ペチッ


 四:いてっ!えっ?もしかして起きてる?聞いてた?!


 スゥスゥ・・・・zzz


 四:・・・・『眠り姫』恐るべし。一体どんな夢みてんだよ・・・・

 悠:きて、はやく

 四:?

 悠:なつ、き

 四:・・・・どんな夢、見てんだろ、な・・・・もしかして、ことや、ことや・・・・やべ、おかしな妄想が膨らむっ!こんなんじゃ俺、ますます寝られねぇっ!


 ギュッ


 四:・・・・足まで、絡めて来るか?ほんと、全然動けねぇし。もしかして俺、抱き枕代わり?うん、そうだ。俺は、抱き枕だ。この際抱き枕になりきれ。無心になるんだ、俺っ!そして眠りに付くんだ!

 悠:好き・・・・

 四:くぅっ・・・・ダメだっ、なりきれねぇっ!クソッ、もう朝になっちまう・・・・



 悠:なつき・・・・なつきってば

 四:・・・・ん~

 悠:こんなに、寝起き悪かったか?

 四:んーっ・・・・

 悠:なつき、朝だよ。起きて


 スゥピィ・・・・zzz


 悠:起きてってばっ


 ペチペチ


 スゥピィ・・・・zzz


 悠:・・・・手のかかる『眠り王子』だ


 chu☆


 四:・・・・あ~・・・・朝、か?


 モソリ


 悠:うん

 四:そう、か・・・・

 悠:おはよ、しじょー

 四:・・・・はよ

 悠:大丈夫か?目の下、クマできてる

 四:・・・・ははは、だろうな

 悠:眠れないのか?悩み事か?

 四:ああ、まぁ・・・・

 悠:私で良ければ、いつでも聞く

 四:う、うん・・・・ありがと、な


 ジーッ


 四:えっ?今?

 悠:うん。解決は、早い方がいい

 四:いや、そんな、大したことじゃない。うん。そう、大したことじゃないんだ。だから、悠木はそんなに心配しなくていいぞ

 悠:・・・・ほんとに?

 四:俺が、信じられないとでも?

 悠:・・・・わかった。じゃ、朝ごはん、食べよう

 四:お、おう


 スタスタスタ・・・・


 四:・・・・言えるかよこんなこと、本人に。本心では今すぐにでもお前のこと襲いたいくらいで、モンモンとしてなかなか寝付けませんでした、なんて。はぁ・・・・もう俺、限界かも。やっぱしばらく、泊まりに来るのやめてみよう・・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る