扉を開ける

 バタン!とドアを開けて外の空気を吸ってみました。


 すぅぅぅぅぅ〜……まだ朝ということもあって汚れもない透き通った冷たい空気が鼻の中に入ってきます。これがすごく気持ちが良いのです。朝の空気はこんな快感なのかとこの時は目が開きました。それと同時に生命力のようなものがみなぎって歩き始めました。


 夜明け時で奥にある山の輪郭が見え始めどんどん明るくなる中をひたすら歩き続けました。こんな時間に歩いたことはなく清々しい気分に包まれながらおよそ40分、大分歩いたなぁと感じてきたところで町に突入していました。空は完全に明るくなり道路には多数の車が行き来しています。


 「はぁ〜やっと町まで着いた!」


 この時私の脳は❝今までとは違う世界に入ったぞ、感覚を研ぎ澄ませろ!❞と合図してきました。まさにどこかからスイッチが入ったのです。


 それからというもの目を動かす頻度な増え、歩くスピードも上がっていきました。これが家から出た後で最初の変化でした。

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