第4話 滅却の地

間抜けな声をあげる四天王たちの後ろですぐさま父上が魔法を発動させる。


「我らを守れ!ファイアーウォール!」


(さすがは父上!でもなんでファイアウォール!?)


父上の魔力の高さにより、魔法の中でも下位魔法のはずのファイアウォールがもはや上級魔法であるヘルフレアど同じ威力になってしまっている。


城は次々と崩壊し始め、奥のほうから微かだが走ってくる音が聞こえる。


「ユーラス逃げてッ!」


「逃げなさいユーラス!お前だけでも生き残りなさい!」


そして冒頭に戻る…。




  *   *   *   *   *   *   *




「ユーラス様、間もなく滅却の地に到着いたします。」


剣の師匠でもある四天王のユリウスがそう伝えてくる。


「うん、ここからどうするか決めるためにもシィと中隊の副隊長たちもつれてきてくれる?」


「はっ!」


そういってユリウスは愛馬のダークホースを飛ばしまずは後方にいるシィに向けて走り出した。


馬車が停止し、ユリウスが扉を開けて報告してくる。


「ユーラス様!第一部隊より報告がありました!滅却の地の山岳地帯がダンジョン化しているとのことです!」


「ダンジョンか…少し厄介な事態になりましたね」


シィがつぶやく。シィはただのスケルトンではない。不死の王の異名をもつなのである。そのシィが言うのであればこれはもう非常事態というレベルではない。


「全軍に通達、いつでも戦闘を行えるように準備を!シィとユリウスとロックスは残って。」


「承知いたしました!」


副隊長たちは走って伝えに行く。


「結論から言うと、僕たちはこのダンジョンをクリアするべきだと思うんだ。ダンジョンボスが生まれていなければそのままダンジョンコアを制圧すればいい。普通ならダンジョンをクリアすればダンジョンコアを破壊して終了だが僕の魔力なら操れるはず。滅却の地のダンジョンを利用すれば高位の魔物を生み出せるかもしれないしね。」


「…しかしながらユーラス様…おそらくこのダンジョン、ダンジョンボスがいると思われます。しかもスケルトンキングや、ただのドラゴンなどではないはずです。」


(やっぱりかぁ…)


と僕は内心思いつつもシィの言葉を聞き続ける。


「ここは今から2000年前、古龍vs神狼フェンリルが戦った場所です。古龍が勝ったとされますが行方不明、フェンリルは死にましたが死骸から発生する瘴気と骨に残る魔力によって凶悪な魔物が次々と発生していることでしょう。それならば特異種やボスがいてもおかしくありません。」


…確かにいてもおかしくないけどさ、君ら自分のステータス知ってる?


「なるほどね、確かにボスがいてもおかしくはない。だけど他にどうしようもない。今ここで立ち止まれば後ろから迫ってくる勇者に殺されるだろう。ならば!このダンジョンをクリアし、制覇するほうが良いとは思わないかい?」


そういいながら僕は鑑定スキルを使用しみんなの能力を見る。

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