〜初心者ギルド開設!〜8話
「スキルの中に想像というものがあるんだ。それはスキルの持ち主が想像したものが作れるんだ。想像しているものが、ハッキリと出ているならその物そっくりなものがでてくる。頭の中で想像しているものが曖昧だったら、そっくりな物ができない。この力を上手く利用できるものは、記憶力がいいものだけだ。そして近頃、核のない魔物が出現しているとの報告があった。スキル、想像でも生きた物は作れない。だから、スキルを使って作られた魔物だという可能性が高い。理由は分からないが、何者かがスキル、想像で魔物を作っているんだろう」
「誰だよ…なんで魔物を作る必要があるんだ」
「さあね…私には分からないわ。その犯人を探すクエストがあるよ。ほら、あそこの掲示板に貼ってあるじゃないか」
おばさんは後ろの掲示板を指さす。そこには、
『犯人を探せ
スキル【想像】を使い、魔物を作っている者を探し出せ。
特徴…身長およそ165 性別…女 年齢…不明
賞金1000ドル』
その下にフードを被った女の子の横顔が小さく写っている写真が貼られている。
「女の子なんだ…」
「ええ、あるギルドが少女が魔物を作っているところを見つけ写真を撮ったんだ。それが唯一の手がかりさ。……少女を見つけたギルドはその写真を本部に送っていこう、戻ってきていない……」
「それって……ここに写っている少女に見つかったってことですか…?」
「分からない…行方不明となったギルドを探しに行った騎士達も誰一人として見つけられなかった」
「マジかよ……」
「私たちでこの子探さない?この子を探せばこれ以上被害は広がらなくて済むじゃない」
ルーミが掲示板に近づき指を指した。イリスとライは目を見開きルーミを見る。
「本気で言ってるのか?そいつに見つかったやつは誰一人帰ってこなかったんだぞ?」
「そうよルーミ。私たちがかなう相手ではないよ」
「でも…」
「あなたの気持ちは分かるけど、そのクエストはS級向けよ。あなた達はまだE級。危ないわよ」
おばさんもルーミを止める。
確かにその通りである。私たちはまだ未熟。こんな難易度の高いクエストは無理がある。
けれど…どこか胸騒ぎがする。
「あなたのその気持ちは嬉しかったわ」
おばさんはルーミにお礼を言った。
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