2人目のお姉ちゃん

@frontale0520

第1話 事故

お姉ちゃんが、死んだ

それはあまりにも突然のことだった。

あたしが中学校から帰ってくるとママは居なかった。その代わり、置き手紙があった。

『南警察署に行ってきます。サキちゃんもお父さんと後で来てね。ご飯はおうちのレトルトカレーで済ましてね ママより』

あたしはお母さんの言う通り、レトルトカレーを食べてお父さんの帰りを待った。やがてお父さんが帰ってきて車に乗せてもらった。

南警察署まで車で10分、着くとお巡りさんに名前と年齢を聴かれたから答えると、「君はここで待ってて」と、待合室らしきところに座らされた。

待合室は薄暗くて、今にもお化けが出てきそう。怖くてたまらなかった。それを紛らわせるためにあたしは携帯を触って、音楽を聴く。

「キミ、入っていいよ」

さっきのお巡りさんの声がした。

「どこへ、ですか?」

「案内するよ」

あたしはお巡りさんについて行った。

廊下は濃い緑色で、所々に傷が入っている。それと、長い。100メートルあるかもしれないくらいに。多分30メートルくらい歩いたところに分厚い扉があった。

お巡りさんはノックを2回した。

「どうぞ」

あたしはペコッと会釈をして入った。蛍光灯は薄暗い。何だか気味が悪い。

そこに目に入ったのはパパとママでもない、ベッドに横たわるお姉ちゃんの姿だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る