第70話 研修中のいざこざ、あれこれ (寮生サイド)

 新入社員研修は、普段とは違う、年に1度の特別な時間です。

 まず急に寮内に不慣れな人が増える。当たり前ですが、在寮生にはストレスになるわけです。

 お試し労働である工場研修が始まってしまえば、教務が1日中新入生に振り回されることもなくなるのですが…

 後番(22時半までのワンオペお留守番勤務)の時苦情が来ます。

 自分も新入社員の時があるからわかるはずですが、多くの学校でよく言われる、『今年の新入生は…』ってヤツ。

 または『今どきの若いもんは…』ってヤツですね。

 まあ、いろいろと気に食わない。

 1番苦情が多かったのはお風呂です。

 研修期間は、部屋長さんの引率で部屋でまとめて行きますから、お風呂の人口密度が上がります。

 一応対策として、『19時から20時で』と利用時間を決めています。仕事帰りの一般寮生のピーク時に当たったら、確かに激混みでリラックスも何もない。

 なのに、一般寮生の方がやらかすんですよ。

 新入社員の時間帯に使用して、

 「お風呂が混んでて迷惑だ‼」、と。

 連絡見ろや、って感じでしたね。

 時間制限のことを言うと(不利を悟って)テンションが下がり、退散していくのがパターンでしたが…

 毎年毎年飽きもせず、数人は激切れして怒鳴り込んでくる、嫌な風物詩でしたね。

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