第49話 評価表を書く時のセオリー

 企業内とは言え高校ですから、通知表あります。これに担任が一言コメント入れるのも、まあ、よくある話です。

 これは本科生を担任していなければ逃れられるお仕事ですが、専科担当だろうが書かなきゃいけない評価表がありました。

 その年入った寮生の現況報告を、駐在員さんに。

 駐在員さん的には、『娘さん、いい感じにやってますぜ』と各家庭に報告し、次の採用活動につなげたいので、結構マジです。

 平たく言えば、悪いことは書けないわけですよ。

 で、多分これは『先生あるある』。

 例えばナイフみたいに尖って周囲とモメがちな子には、

 『自分というものをしっかり持った意思の強い子です』と書くな、たぶん。

 気が弱く周囲に振り回されている子なら、『優しく回りを気遣います』、です。

 回りと馴れ合わない子を『一匹狼』と書いた私の中2心は、勤労(総務)に潰されました。

 カッコいいと思ったんだけどなぁ(←その感性が中2ですね)。

 なかなか難しいのです。

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