第30話 外出カードと外泊許可
前話で書きましたが、女子寮生は工場敷地から出る時は『外出カード』を門の所定の位置に提出します。
門番…は寮生用語ですか?正しくは守衛さんが門限の度に残りを確認、寮生は帰宅時に自身のカードを回収するので、残っていれば門限破りとなります。カードには何寮のなん号室の誰であるか明記されていて、顔写真付きでした。
なかなか考えられたシステムと思いますが、実際は塀を『ぴょん』して帰ってきている者もいる以上、門番さんの隙をついてお友達に回収させたり、まあ、上手くやっていたのではと思います。
ただどうしても深夜まで遊びたくて、カードをごまかしてくれる当てがない場合、『外泊許可』をとることになります。
翌日が休日ならば、本科1年のゴールデンウィーク以降は外泊が可能です。
で、数的には少数派となる、県内出身者の住所が多用されますが、まあ、疑ってもしょうがないんで許可される運びでした。
これが年上である専科生となると、彼氏の住所で外泊許可を申請する猛者も少なくなく…
万一の場合、嘘つかれるよりはいいんだけどさぁ。
生々しいんで勘弁して欲しかったことは、無粋だし、言わないよ。
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