適職診断って思いもよらない結果になることもありますよね。

前略

猫好きなのに猫に好かれないお母様

イケメンと自己紹介するのを忘れていました。


★異世界にトリップしましたが、何の能力も無くて生きるだけで精一杯です!★


「立花真白と申します。

よろしくお願いします。」


「シャルテオ・ホワイトだ。

こちらは、俺の使い魔ルゼルだ。」


「特別に名前を呼ぶことを許可してあげますわ。」


この世界にきてどれくらい経っただろう。

私の付けている腕時計では3時間は経過している状況だ。


噴水の前に結構いたんだなーと実感する。

しかし、ホワイトさんのおかげでなんとかなりそうだ。

本当に有難い。


城まで歩いている間に、この国のことを少し教えてもらった。


ここは、グロース帝国という国で大陸の中で大きい国らしい。

時間はや四季は日本と同じように流れているみたいで、腕時計の時間はほぼ正確だった。


有難い、字が読めないのも詰んでいるが時間まで違ってくると目も当てられない。


街中をホワイトさんと並んで歩く。

レンガ調の綺麗な街並みだ。


気持ちはイギリスとかに来た気持ちだが、見たことのない文字にやっぱり違うんだなぁと感じる。


しかし、街ゆく人の大半がこちらを必ず1回は見る。

ホワイトさんの顔の影響なのか、将又私が怪しい人物に見えるのか…


「ホワイトさん、街の人がこちらを見ている気がするんですが、そんなに私は怪しく見えますか?」


「怪しくは見えるが、多分黒髪が珍しくて見ているんだろう。」


さっきも黒髪黒目は珍しいって言ってたもんなー。


「そんなに珍しいんですか?」


「そうだな、この帝国で黒髪は10人いるかいないか位だ。


黒髪自体は魔力保持が多い事を示している。」


そう言うホワイトさんも黒髪だ。

苗字は白なのに貴方は黒いねなんて思ってませんよ?


ホワイトさん自体は綺麗なサラサラとした黒髪にインナーカラーが青だ。


「黒髪で黒目だと魔力保持が異常だ。

測定器で測定できないレベルになったりする。


黒髪で生まれると人々は目の色を変える。」


ああ、黒髪が忌み嫌われるとかかな?

黒髪の皆さんには悪いが、設定としてある展開だ。


黒髪黒目の私も覚悟しなきゃいけないのでは?


「あの、目の色を変えるってどう変わるんですか?」


「尊敬対象にはいる。」


…え?

まさかの尊敬対象?

そんなんある??


「この国はは魔法で成り立っていると言っても過言ではない。

故に、魔力量が多ければ多いほど優遇されるケースは高い。


爵位がない子供でも魔力量が多い事が分かれば最高機関の学校に通えたりする。」


へー。

どちらかと言うと、良い事づくめなのね。


「魔力を持たない人もいるんですか?」


「ごく稀にいる。

希少ケースだがな。


魔力がない代わりに何かに優れて生まれる場合が多い。

冷遇されない措置として検査を国民全員が受けるように義務付けられる。

その制度を実施したのが現皇帝陛下だ。」


すっげーな。

今の皇帝そうとう良い皇帝じゃね?


「へー、すごい人なんですね。」


「国民からも慕われているし、凄い方ではあるな。


検査の結果次第ではもしかしたら今日会う可能性もあるぞ。」


うげー、別に合わなくても良いよ。


気づけば、遠目から見えていた城が目前だ。

どんなステータスがあるか、楽しみではあるよね!


「行くぞ、タチバナ。

検査項目は色々あるから、気を引き締めていけ。」


「分かりました!」


しゃ!おらぁ!やったるぞ!!!






「これは凄い!

こんなステータス見たことない!!」


時は過ぎ、検査自体は終わった。

検査内容を宰相が見て判断し、数日の間で待遇を決める流れだった。


今日は城で空いてる部屋が手配できるか確認しようとホワイトさんから提案を受けている時に、宰相の秘書さんから呼ばれた。


宰相の部屋のソファにホワイトさんと並んで座ると、宰相は詰め寄るかのように話し始めた!


「魔力もない!どの適性も並以下だ!」


え?

え??


「あの、つまり??」


「全くの役立たずという事だね!!」


ホワイトさん、哀れみの目を向けるのは辞めてください。

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