55-2
「ただ、問題はどの規模の家をどれくらい立てるかなんだ。1軒ずつ建てるのはともかくそれで足りるのかどうかもわからない」
「そうか。今回の状況じゃ一族で他国への移住だもんな。知らない土地となると一族揃って住みたい者もこれまで通り家族だけで住みたい者もいるか…」
「…こっちには集合住宅ってないの?」
「集合住宅?」
「なにそれー?」
「初めて聞いた」
これまで黙っていたウーやブラシュまでもが口を挟む
「大きな建物の中に同じような間取りの部屋を数種類用意した…」
「ここと一緒?」
ロベリが尋ねる
「…そうねイメージ的にはそんな感じ。でもそれぞれの部屋が1つの家みたいな感じ」
次は私が図に書いていく
1DK、2DK、2LDK、3LDK・・・・
「こんな感じかな。同じ建物の中にいくつかのタイプを用意しておけば、人数に合わせて選ぶことも出来るし2階建てや3階建てにすれば、敷地が少なくてもたくさんの住居を確保することが出来るわ。ただ、日当たりとかを考えれば高層のものは建てる位置を考えなきゃだめだけど」
「…これ送ってもいいか?」
「こんなお絵描きみたいのでもよければ」
苦笑しながら頷いた
あとでシャドウが持って行くのだろう
「これなら別の住居でも近くに住めるから便利かもな」
「そうだね。俺、今日から親父と同じ部屋で寝ろって言われたらキツイし」
ブラシュの言葉にみんなが笑い出す
「検問に4人の家族のことも伝えて来るよ。早ければ今日か明日到着する人もいそうだから」
マロニエが立ち上がる
「あ、マロニエ、これを渡してもらうように言ってもらえる?カフェのチラシと手紙が入ってるから。ついでに屋台に顔出して今日から開けるって伝えてくれる?」
「了解。助かるよ」
マロニエは4つの封筒を受け取り出て行った
「今日から開けるのか?」
「開けるよー。腕が鳴るわ」
「手が必要だったら声かけて」
「ありがと。カメリア。頼りにしてます。みんなもお昼ご飯は好きなときに食べに来てね」
そう告げてロキとカフェに向かう
カフェを開けている日のみんなの昼食はカフェのメニューでいいか確認した時に、むしろその方が楽しみが増えていいと言われた
どうやら自分で選ぶというのが楽しいらしい
子供たちなどランチで悩み飲み物で悩み、スイーツで悩むという3段階の悩みにかなりの時間をかけている
ダビア達は迷宮に行くときは、サイドメニューから適当に選んで持って行くのを忘れない帰ってきた
帰ってきたときにそれ以上の食材が積み上げられることを考えたら少々申し訳ない気もするけど…
私としては皆がそれでいいと言ってくれるなら問題ない
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