10.ギルド登録

10-1

翌日朝食を済ませるなりみんなで町に繰り出した

ジョンが引く荷台にロベリとリラが乗り、ウーは空の荷台を引いている

「オリビエ」

「ん?」

「荷台2つもいる?」

コルザが不思議そうに尋ねる


「沢山買物するからね…とその前にこの町に冒険者ギルドはある?」

「あるよ。そこの赤い看板」

ウーが指さした先に大きな赤い看板が見えた


「オリビエ冒険者になるの?」

「そうよ。お金調達するなら冒険者が一番手っ取り早いからね。ついでに肉も手に入るし」

私がそう言うとみんなが驚いたように見ていた


「え?どうかした?」

「…その細腕でどうやって倒すって言うんだ?」

ジョンが呆れたように言う


「あら、見た目で判断しちゃいけないわ。こう見えても私、剣も振れるし魔法も使えるから」

「「「え?」」」

驚きの声をあげたのはジョンとロキ、カメリアだ


「言ったでしょう?元の世界では高ランク冒険者だったって」

皆には私が召喚されたことも元の世界で何をしていたかも昨日のうちに話してある


「…冗談だと思ってたんだが」

「カフェはともかく冒険者は…ねぇ?」

ジョンに続きカメリアも言う


「まぁ失礼ね。これは証明しなくちゃいけないのかしら?」

私は笑いながら言い返す


「あ、ジョン」

「何だ?」

「道具はその店で大丈夫なの?」

冒険者ギルドの向かいに金物が並んでいる店があった


「ああ。そこで大概揃う」

「じゃぁ私が登録してる間に道具を選んでてくれる?お金の心配はいらないしウーが必要なのもあればそれも。もちろんカメリアの必要なものもね」

私はあえて返事を聞く前にロキと一緒に冒険者ギルドの扉をくぐった


「問題は…」

呟きながら考える

召喚されたことを含め隠蔽が効くのかどうか


とりあえずステータスの数字を統率以外全てマイナス50の補正をかける

統率はマイナス10の補正で他と釣り合いが採れるだろう

そして称号と一部のスキル、本名を隠蔽する

しかも実力補正なんて面白そうな機能があったのでついでにONにしてみた


**************************************

 オリビエ・グラヨール(20)本名:オリビエ・グラヨール・ラ・ミルトゥ

 基本特性:体力:95 魔力:90 知力:95 適応力:90

 魔法属性:火:85 風:90 闇:90

 スキル:覇王:90 統率:50 世界言語:50 

     インベントリ:90 鑑定:90 隠蔽:90

 称号:召喚されし者、ミルトゥ後継者

**************************************

 

 ↓


**************************************

 オリビエ・グラヨール(20)

 基本特性:体力:45 魔力:40 知力:45 適応力:40

 魔法属性:火:35 風:40 闇:40

 スキル:統率:40

 称号:なし

**************************************


この通りに記録されればいいんだけど

そう思いながら受付に向かう

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