第15話 そんなことありませんよ
「ただいまー、連絡遅くなってごめん」
「おかえりなさい、兄さん。本当です」
僕が帰ると、やはり連絡が遅れたからか少しだけ怒った花蓮が出迎えてくれる。
そういう時こそ、これだ。
「はい、花蓮。これ」
「これって」
「ゲームセンターで遊んできて、取れたから花蓮にって思って」
「ありがとう、ございます。凄く可愛いです」
そう言って、抱きしめている花蓮の方が何倍も可愛いのは心の中に留めておこう。
「私は、少しだけ気分がいいです」
「それは良かった」
カバンの中にいるもう一体の豆しばは明日、桜木さんへ渡す。
カバンの中、普段置き勉しているから何もなくて入れるスペースあってよかった。
「少し、気分がいいので今日は兄さんと寝てあげても良いですよ?」
「なる、ほど?」
この年になっても彼女ができない僕に情けを掛けてくれてるってことか。
花蓮は僕と違ってモテるからなぁ。
「寝てあげても、いいですよ?」
「はい、是非寝させていただきます」
顔を近づけて迫ってきたので、思わずうなずく。
「それじゃあ、兄さん、制服を着替えてもう時間もいいころですし、お風呂に入ってきてください」
「りょーかい」
僕は、花蓮に従って制服を脱いで、お風呂へ入ることにした。
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はぁ、兄さん。本当に大好き。
兄さんが、私の事を思ってぬいぐるみを取ってきてくれることは見たので知っていたが、実際に渡されると嬉しい。
でも、ね?兄さん。
私知ってるんだよ。
もう一つのぬいぐるみは誰に渡すのかな?
兄さんは、別にぬいぐるみとか自分のために取らないよね?
兄さんからみて、私が知らないことを知ってる。それは、おかしいから、しょうがなく、兄さんにマーキング、するの。
いっぱい臭い付けて、私のだってあの女に分からせるの。
今日は、あいつに挨拶もできたしね。
これから、どうなるのかは分からないけれど。
まぁ、あの人の事は今はおいておこうかな、
むふふ、また兄さんからもらったものコレクションが追加されちゃった。
「あ、兄さん。お風呂から上がった」
さて、ご飯の用意をして私の手作り料理を一緒に食べるとしましょう。
兄さんは、いつも私の料理を綺麗に美味しそうに食べてくれる。それだけで私は満足だし、何より興奮する。
兄さんは米粒一つ残さず食べ、食器を水に浸して自分の部屋へ帰る。
さて、私も兄さんが使ったお弁当箱、お箸、すべてを綺麗にしてお風呂へ入ってから、兄さんの部屋へと向かう。
「兄さん、髪乾かしてください」
「分かった」
兄さんに小さい頃してもらっていたドライヤー。
すっごく気持ちがいい。兄さんに髪を触られているだけで体がぴくぴくとしてしまいそうになるのを抑える。
今でもしてもらいたいけれど、そこは淑女として慎みは持たなければ、ね?
髪を丁寧に梳かして、整えてくれる。
「それじゃ、寝よっか」
「そうですね」
一緒の布団に入り、くっつく。それはもう隙間がない程に。
「あ、あの花蓮さん?」
「なんですか?」
兄さんの二の腕、すっごく硬くて良い。私の体をさらに密着させる。
「近すぎない?」
「そんなことありませんよ」
何を言ってるんですか?近くないと、マーキング、できないじゃないですか。
「花蓮が、いいならいいけれど」
「はい、私は一切問題ありません」
むしろ、兄さんがいいんですか?
兄さんが寝てしまった後、いろいろ、しちゃいますよ?
「ふぁー、眠い」
「そうですか、だんだんと私も眠くなってきました」
「そっか、じゃあ花蓮。お休み」
「あ、おやすみなさい。兄さん」
兄さんが、小さい頃の癖で私の頭を撫でてから眠りにつく。
胸がとくんと、鼓動して段々と早くなる。
私は、全然眠くなんてないですよ?いまから、じゃないですか。
私は兄さんが完全に寝るまでじっとしてから、動き始める。
そっと、仰向けに寝ている兄さんの足に自分の足を絡ませる。そして、そっと左手を伸ばして兄さんを抱きしめる。そして、首筋に舌を這わせる。
っっっ!!
脳内で異常な快楽物質が分泌される。
私は、満足するまで兄さんが起きない程度にゆっくり私を擦りこませ続けた。
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