第3 勇斗✕神様
早朝、勇斗は目覚めると大きなアクビをしながら布団から這い出した。
「ああ、早番は辛いなぁ」
着替えとタオルを持ちシャワーを浴びに浴室へ向かう。
「おはよう勇斗」
「おはよう母さん」
「朝ご飯は?」
「うーん、いいやシャワー浴びたら直ぐ仕事に行くから」
「そう、わかったわ」
何時も通う職場への道、何でも無い1日の始まりだったはずだったのが・・・・
勇斗の前を歩く小学生達がふざけあっていた。
「アッ君邪魔ーーー」
アッ君と呼ばれてた子は車道へと転がった。
「おいおい、車来てるぞ」
勇斗はガードレールに足を引っ掛けながらもアッ君を救うために車道へと飛び出したのだった。
光り輝く空、そんな中目を覚ます勇斗。
「ここは病院か? 助かったのか?」
「いいや、貴方は助かっておらんよ、ここは天門つなわち天国へ行く為の門じゃ」
白髪の老人は奥にある門を杖で示した。
「あんたは神様か?」
「うむ」
「聞きたい事があるんだけど、アッ君は無事だったのかな?」
「いいや、先程門をくぐって行ったよ」
神を名乗る老人は長く生えた白ひげを右手ですきながら残念そうに答えた。
「そうか・・・それじゃ俺も行くとするか、ここで騒いでもしょうがないしな」
「それが駄目なんじゃよ」
「え?」
「お主は本来転んで間に合わないはずだったのだが・・・」
「それじゃ地獄か?」
戸惑う勇斗。
「いいや、お決まりの異世界転生じゃ、この世界と違う世界の女神に預かって貰う事にしたから、新しい人生を歩んでくれ」
「はぁぁぁ」
その頃地球では勇斗の両親が病院へ駆けつけていた。
「ご両親様、誠に残念ながら脳死でございます」
「そんな・・・勇斗」
母は泣き崩れ父はギュッと唇をかみしめてる、極めて悲しみに溢れた場面である。
「それで警察の見分結果の中で1通の封筒が見つかりました、中には1枚の手紙と臓器提供者カードが入ってます」
そう言いながら医者は父親に封筒を渡した。
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