第27話 スタートするための片足
あと、ちょっとだけ
踏み込めば始まる。
あと少し、本当に少し
もうちょっとだけで
視界も良くなり
見るもの
聞くものが
「ハッキリ」と入ってくるはず。
前にも後ろにも進んでいない。
そんな感覚だ。
記憶が鮮明になり
頭も
「スッキリ」するはず
理屈ではわかっているつもりだが
なかなか気持ちが始まらない。
この与えられた
自分ひとりだけの
時間、空間を味わいたい
始まらずに終わりを迎えたい。
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