夏日の猫あるある

ピッ


 扇風機のリモコンを拾って電源をつけると、涼しい風が顔に当たる。


すりー


 冷蔵庫で冷やした麦茶を飲んでいると、猫がぬるっと入り口に現れた。猫は少しだけ歩いて足元まで来ると、ノーモーションで床に倒れる。

 猫は伸びると中型犬ほどの大きさなので、倒れた時はそれなりの重みのある音が聞こえた。


 なんとなく、そばにあった団扇うちわで猫をあおぐ。

 猫はちらりと目線をやって、しっぽでパタンと風を送った。


 団扇うちわを下ろすと、麦茶を飲んでテレビを眺める。どうやら猫が液体というのは本当のようだ。


 ふと、洗濯物がある事を思い出し、コップを置いて立ち上がった。


 そのまま部屋を出ると、後ろから猫が追いかけてきた。


ピッ


◆◇◆◇◆


 洗濯物を取り込んで部屋に戻ると、部屋の中がひどい有り様だ。


 なぜだか扇風機が強風で稼働し、ぐわんぐわんと部屋の物を吹き飛ばしていた。

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