少しこわいはなし

こと。

 がちゃり


 サラリーマンの永瀬は仕事後の飲み会が終わり、やっとの思いで帰宅する。

 靴を脱いで部屋に上がろうとするも、ちょっとした段差につまづいて転けてしまった。


「いてて……」


 飲み過ぎだな……。よし、顔を洗ってこよう。もたつく足で洗面所にたどり着き、蛇口を捻って顔を洗う。


 ばしゃばしゃ


 ふと顔を上げて鏡を見た瞬間、永瀬の左後ろに髪の長い女性が写った。


「わーーーーーーー!」

「きゃーーーーーー!」


 永瀬が思わず叫ぶと、髪の長い女性は大きな目を見開き、悲鳴を上げる。





















 ……あれ? ここはどこだ?

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