【BL】赤ずきん君とオオカミ様の恋
揚げパンくん
第1話 赤ずきんは恋人が大好き
「リウ〜、これをおばあちゃんの所に持っていってくれる?」
「うんっ…、すぐ行く!」
「リウはいつも楽しそう、ふふっ。
おばあちゃんに会うのがホントに好きなのね」
「えっと、…うん、そう…だよ」
今日もお母さんに病気のおばあちゃんの所にお見舞いに行ってほしいと頼まれた。
おばあちゃんに会うのも楽しみだ。
…でも本当は、他のことを楽しみにしてる。
お母さんの言葉を肯定して、かごを持ってすぐに出かける。
森の近くに入ると、オオカミさんの家がある。
この前、オオカミ獣人のサクさんに、付き合おうって告白された。
だから、恋人同士になってからは、いつもおばあちゃんの家に行くときに寄っていくんだ。
「あっ…」
「リウ、…今日も来たのか」
「うん、おばあちゃんのお見舞いのついでに…来ちゃったんだ(ホントは、サクさんに会いたくて…)」
「…はぁ、先にばあさんの所に行こう」
「え、うん、…じゃあ僕、おばあちゃんの所に行ってくるね」
サクさんは優しい、だからおばあちゃんの事も心配してくれて、おばあちゃんのところに行く前にオオカミさんのところに来た僕に怒っちゃってるのかも知れない。
嫌われたくないから、僕は早めにおばあちゃんの家に行くことにした。
「リウ…、待て」
「え?」
サクさんはそう言うと、僕の持っているかごを持ってくれた。…僕は、そんなさりげない優しさにいつもドキドキしてしまう、…歳上なのもあるかも知れない。
「送っていってやる」
「いいの…?毎回送ってもらって…」
「一人で行かせるほうが心配だ」
「サクさん、…優しいから好き……///」
「…リウもばかだな」
そう言って、サクさんは僕にキスをした。
「う、嬉しい…///」
「あんまり可愛いことをするな、早く行くぞ」
「うんっ…」
サクさんは赤い頭巾を被った僕の頭を撫でて、ずれた頭巾を整えた後に僕の手を握って歩きだした。
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