最終話.私を愛して、私を殺して

今日は中也にあった。

そしたら、

「太宰、顔色悪くねぇか?」

こんなことを言われた。

そんなに顔色が悪いだろうか?

そんなことを考えていたら、ふと足元がふらついた。

その後の記憶はもうない。


「んっ…ここって…」

いつの間にか中也のセーフハウスで寝かされていた。

「おぉー、太宰目覚めたか?」

このことを考える暇もなく中也がドアから顔を出した。

私はひとついいことを思いついた。

「ねぇ、中也」

「私と一緒に心中してくれる?」

中也から意外な答えが返ってきた。

「おう、いいぜ。」

「え、?」

「本当にいいの?」

私は聞き返した。

「何度も聞くんじゃねぇ。お前と一緒に死んでやるよ。」

そこからの行動は早かった。

まず、ポートマフィアビルの屋上に行った。

ここから飛び降りれば確実に死ねるだろう。

そして2人の手を手錠で繋いだ。

あとはせーので飛び降りるだけ。

「中也、なんか言い残すことある?」

「特にない。」

「じゃあ、」

「「せーの」」

トン、

緩やかに落下していく。

あぁ、やっと死ねるんだな。

私の頬を1粒の涙が伝った。


「中也、愛しているよ。」





「じゃあね、また来世で愛してね。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る