狂気の人は君か私か
A「お前、何考えてんの?」
B「何って……何が?」
A「俺がこんな目に合ってるのお前のせいなんだけど」
B「分かってるよ。でも、僕がどうして君にあんなことをしたのか。それも解ってるよね?」
A「それが人の足折ったやつの態度かよ」
B「折れたのは偶然だよ。僕はただ君たちの暴力から逃げたくて、偶然正面にいた君を突き飛ばしただけ」
A「何が突き飛ばしただけだよ。俺が訴えれば傷害罪で捕まるくせに」
B「ならそうすればいい。その時は僕も、君たちが僕にした仕打ちを暴露するだけだ」
A「できると思ってんのかよ」
B「難しいとは思ってないよ」
A「俺は何も罪になるようなことはしてねぇぞ」
B「暴行罪に脅迫罪、窃盗罪……あとは僕が被害を受けたわけじゃ無いけど、君たちがたまにやってる喧嘩賭博は決闘罪と賭博罪になるんじゃないかな?」
A「そうかよ。で、俺を脅そうってハラなわけか?」
B「嫌だなぁ。そんなんじゃないよ。僕はただ取引をしにきただけさ」
A「取引?」
B「うん。現状僕達は双方共に加害者であり被害者だ。本当に警察へ訴えればお互いに大きな不利益になる。だからさ、今回は痛み分けってことで。今後は関わらないようにしましょうってこと。ダメかな?」
A「お前、やっぱおかしいぞ」
B「どういうことかな?」
A「お前が言ってるのは理屈の話だろ。どう見ても痛み分けを望んでる面じゃねぇし。お前の目は今でも俺を殺したいと思ってる。狂気の目だ」
B「狂気……か、そうかもしれないね。でもおかしいのは僕なのかな?狂ってるのは僕だけなのかな?弱者への暴力を受け入れる君は、それが当たり前だと思っている君たちは、狂ってないって言える?」
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