図書室
A「私、告白された」
他に生徒のいない放課後の図書室。その静寂は、一人の声によって破られた。
B「……はい?」
突如として破られた静寂に、一歩遅れて疑問が返る。
A「さっきね。校舎裏に呼び出されて……」
B「そう……じゃあ、ここで勉強するのはこれで最後かもね」
Bの声はどこか寂し気で、とても悲しい音をしていた。
A「そう……なるのかな」
B「そりゃあそうだよ。少なくとも僕が告白した側なら、僕みたいな人は邪魔だと思うし」
A「そっか。じゃあ断らないとね」
B「……へ?」
また、今度ははじめとは違う理由で、一歩遅れて疑問が返る。
A「私はこの時間気に入ってるんだ。これを捨てなきゃならないなら、恋人なんていらない」
B「じゃあ……この時間を捨てなくてもいいとしたら。告白を受けるの?」
期待。あるいは切望。そんな感情が、二人にはあった。
A「どうかな……もし相手がここの時間を受け入れてくれたとしても、私が遠慮しちゃうかもしれない」
B「じゃあ、僕なら?僕が君の恋人になりたいって言ったら。受け入れてくれる?」
A「それは……」
その瞬間。図書室には美しい夕日が差し込んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます