第10-1話 誕生日のお話

ハッピバースデー、トゥ〜ユ〜――


 ――ハッピバースデー、トゥ〜ユ〜♪



――パンッ!


お誕生日おめでと〜!


うふふ、驚いた?


やった~! ドッキリ大成功~!



ねぇ、見て見て〜!


今年のケーキは、じゃ、じゃ~ん! イチゴたっぷりケーキで〜す!


うん、もちろん私の手作りだよ~!


後でカットして食べようね!



そしてお待ちかねのプレゼントは~?


もちろん、ワ・タ・シ、な〜んちゃって!


えへへ、頭のリボンかわいいでしょ?


喜ぶかと思って準備しといたんだ〜!


……?


はっ! 抱きつくのちょっと待ったー!


なぜ抱きつかれるのが分かったのか?


エッヘン! だって毎回同じパターンだから、さすがに私も学んだよ!


いい? ちゃんとプレゼントを準備してるんだから今は抱きついちゃダメ!


もうっ! 『ちぇっ』って言わないの!


ケーキを食べた後に私のこともあげるから、今は我慢してね?


……私ったら、なんて恥ずかしいこと言ってるんだろ。


ほら、そんなことよりプレゼント開けてみてよ〜。



――ガサガサ……


‟これから先も一緒に時を刻みたい”という願いを込めて、プレゼントは腕時計にしてみました~!


どう? デザインとか好みに合ってるといいんだけど……。


ってあれ!? 急に泣き出してどうしたの!?


えぇ! 『幸せすぎて泣けてきた』!?


フフッ……、ほんとかわいいなぁ。


でもね、それは私も同じだよ。


いつも私を好きでいてくれてありがとう! おかげで毎日幸せだよ!




え? 私にもプレゼントがあるの? 


随分と小さな箱だね? 今開けてもいい?



――ガサガサ……


……こ、これって……、まさか婚約指輪……?


で、でも急になんで……?


え? 旅行の時、『こんな幸せがずっと続けばいいな』って私が言ったから?


……私たち結婚するの?


……グスっ


こ、こんな逆サプライズはズルいよぉ。


でも嬉しい! ありがと〜!




あっ、そうだ! 実は私ね、プレゼントと一緒に渡そうと思って手紙も準備してたんだ! 


今読むから聞いてくれるかな?

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