第3話 文鳥
文鳥は気が強いので、気に入らない飼い主のささくれをむしった。カゴの外からこちらを覗き、柑橘類を差し出すあの手。むしると皮は取れ、骨組みの向こう側が見える。飼い主は、この機械装置越しに生体を触る。植物や動物を試作中で、いずれは人間を作るのだろう。寂しがりの飼い主を慰めて鳴いてやる。
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