第28話 しゅわしゅわ

ラムネの瓶を開ける。あの子がヒソヒソ声を詰め込んだ瓶から、ヒソヒソ話が溢れだす。あのね、実はね。しゅわしゅわした泡に紛れて、肝心な内容が聞き取れない。子どもの頃、瓶にガラス玉と炭酸を詰める体験をした日、互いに瓶を交換した。開ける勇気がないまま転校し、期限を過ぎた炭酸は零れ落ちる。

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