第13話

朝食と言ってもともすれば昼食と言っていい時間だった為、たまった洗濯やらレジュメをまとめたりしている内に午後はあっという間に過ぎていった。


自分の家のようにくつろいで寝ている隣人の為に仕方なく台所に立つ。

起きたらきっとお腹が空いているから冷蔵庫の余り物で簡単に炒飯を作る。

温めるだけでいいようにテーブルに用意して出掛ける準備を整える。

時刻は18時を回っている。相当に激務をこなしていたのだろう。珠美さんが目を覚ます気配は未だ見受けられない。


このままそっと抜け出してあの店に向かう。


明かりは点けたまま僕は部屋を後にする。


今日はどうしても一人で向かいたかった。




外はまだ明るく歩いているうちに少しずつ薄暮が闇色を濃くしていく。郊外なので人通りは少ない。店までの距離はけっこうある。単車もあるが今日はきっと飲むはずだと思っていた。




星がその光を、放ち始めている。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る