第6話

朝の目覚めは良かった。


アラームが鳴るまえに起きることが出来たし

ベッドの中で全力で伸びても足は攣らなかった。


起き抜けに淹れたコーヒーもフィルターの周りに粉を一切こぼすことが無かった。


一切だ。


良い兆候だと思う。


冷蔵庫にはハムもウインナーも無くて先週ラーメンを食べる時に買ったチャーシューの残りがあったのを思い出し油をひいたフライパンに卵を割り入れ一緒に焼く。


殻の欠片が入ることもなく順調にそれらは一体になり空腹を刺激するアイテムとなる。


良い兆候だ。


出来上がりを皿に乗せ贔屓のプロ野球チームの優勝記念カップにコーヒーを注ぐ。


面倒なので食パンはトーストせずにそのまま。


ベランダにキャンプ用のデッキとチェアがありそこで朝食をとる。


アパートの三階は見晴らしがいい。


ぼんやりと昨日のことを思い出す。




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