ルーキー
【フェアリー】
妖精の名を持つ奴らは並大抵の軍隊では落とせない。
片翼を無くしても飛び続け、軍隊を退けた【―ラストオーダー―】
長距離からのレールガンによる精密射撃により国を救った【―オウルドキャット―】
そして、突如として現れ最新鋭機を扱う新人
【―4枚羽―】
フェアリーはただの二つ名ではない。国家が危険因子と考えながら協力を仰ぐほどに強く、空を制する者に付けられる不名誉な名だ。
4枚羽……奴の初陣は光るものだ。
積乱雲から突如として出現し、地上攻撃中の軍隊を奇襲。そして、その後の応援として駆け付けた一個大隊のエースで占められる傭兵軍団【ウォルフ】を激戦の末全機撃破。その中にはフェアリーも居た。
確かにあのフェアリーは単体としては弱い。しかし、カリスマ的な統率力とずば抜けた指揮能力に勝る個体は居るとは思えなかった……
しかし、エースという常人には隙は憑き物だ。
一機の行動が遅れるとそこから食い千切られたとその戦場を見てきた者は長く語った。
「あの4枚羽……中に人が乗ってるとは思えない機動で回避を続けていたんだ。それも長時間。そして、長時間の飛行に音を上げた奴から喰われていった。奴が回避の為に失速速度から復帰すると突如として一機を狙いだしたんだ。そして、その一機は限界を迎えていたのか脱出して機体は爆散。その後は一方的だった。エース級を一機失ったウォルフは復讐とばかりに4枚羽に迫った。だけど、味方からの掩護を忘れて飛んでいた奴は一瞬で爆発した。4枚羽がどのような機動をしたのかわからない。俺には追えなかった。その速度は……」
長い長い話の末、彼は言い淀むと身震いした。
4枚羽。奴が現れる戦場は少なからず世界に影響する場面が多い。
一匹狼。奴の翼のトレードマークは簡素だった。
毛皮の中から淀んだ目。
そのトレードマークを見た奴は口を揃えて奴をこう言う。
狼野郎と……
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