第3話 姉妹
長女は昔から甘えん坊で、両親も溺愛していた。
長女は小学生から高校卒業までいじめられており、両親は長女が一番可哀想だと思っていた。
長女は家でよく「てんかん」のような発作を起こし、祖母や両親の気を引いていた。もちろん病院にいったが、異常なし。今考えると自分を見て欲しい、かまって欲しいという、自分なりに考えつき自然に覚えた防御術なのだろう。
その後某有名事務所に入り、テレビにも映るようになる。両親にとっては自慢の娘になった。
しかしその後人生の挫折になり田舎へ戻り、今は一人暮らしをしている。
長女はとても頑固。そしてみんなとの協調性がなく、こうと言ったら絶対に曲げない。そして妄想が激しい。
本人は色々なありえない出来事を言い、周囲を混乱させるが、本人からしてみれば本当にあった出来事だと思っている。
それが結局「変わり者」としていじられ、自分が苦しかったり弱そうに見せる為、小さかった頃からの防御術として、未だに「てんかん」のような発作を起こし、救急車で運ばれることもあった。
病院で色々検査しても異常なし。だが、今では解離性障害者として過ごしている。
次女は昔から「長女を守れ」と両親から言われ、何をするにも長女のことを考えてきた。
長女がいじめられていると、例え上級生でも必死になって守る。
その反発でその上級生たちに囲まれて、自分もいじめられることがあった。
しかしそのことは両親には秘密にしていた。特に母親に心配をかけたくない、迷惑かけてはいけないと思い、一人で耐えていた。
次女は母親をいじめる祖母が大嫌いで、
「クソババア!お母さんをいじめるな!」
と言い、よく祖母とケンカしていた。
そのせいか、祖母も両親も次女は気の強い奴だと言うイメージを付けるし、器量も良いからご飯の支度は殆ど次女がしていた。
それに甘えて両親は、次女の本当の気持ちも分からずに家事と長女のことを任せていた。
そして少し離れていた私のことも、次女はとても可愛がった。
長女を溺愛する両親は私の世話も次女に任せた。
私はよく自家中毒を起こした。嘔吐したモノも次女が処分していた。
風邪をひいて高熱を出した時も、私がいじめにあった時も、初めて生理がきた時も全て次女が世話をしてくれた。
そんな次女は早く家を出たかった。両親の束縛から逃れたかった。
その夢はとりあえず叶い早くに結婚。
だが離婚し子供たちを立派に育てあげた今、一人寂しく住んでいる。
次女は寂しさから抜け出す為に、アルコールを手放せなくなった…。
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