第114話 『新婚さんいらっしゃい!』

 六月四日放送の『新婚さんいらっしゃい!』(ABC放送)をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか?

半世紀を超す長寿番組で、私は十代の頃からこの番組のファンでした。

この『新婚さんいらっしゃい!』に同性婚が法律で認められているフランスで今年三月に結婚した男性カップルが登場しました。


 タキシードをビシッと着こなして幸せそうに見つめあう二人の素敵な馴れ初めや、新婚生活のちょっとした不満を楽しそうに語る姿に思わずこちらまで笑顔になりました。


 同性婚の夢を叶えたのは「床バレエ」というエクササイズのインストラクターとして国内外で活躍する四十歳の日本人男性とリトアニア出身の三十四歳のインテリアデザイナーの男性です。


 フランスで暮らす彼らは、現在仕事の関係で来日しており、「念願だった」というバラエティー番組『新婚さんいらっしゃい!』へ出演できたそうです。

ちなみに、放送開始から五十年以上が経つ同番組の国内収録において同性婚カップルが登場するのはこれが初だそう。


 日本で開かれた知人の誕生日パーティーで、出会ったのがきっかけで

「自分とパートナーだけがスポットライトを浴びているような感じだった」というほど運命的な出会いだったそう。

馴れ初めを語るオープンな姿に、時代の変化を実感したとともに、世界の流れや社会の多様化に政治が追い付いていないのが、日本かもしれないと思いました。


 五月三十日、法律上同性婚を認めていないのは憲法に違反するとして、愛知県内の同性カップルが国を訴えた訴訟の判決(同性婚を認めない法制度を違憲とした判決)が名古屋地裁であったのを思い出しました。

国会こそ、こうした声に聞く耳を持って欲しいと思いました。


 今回のテレビ出演の二人は、結婚を届けた時、かけられた言葉が忘れられないそうです。

「どの国の人であれ、性のあり方がどうであれ、愛があれば受け入れます」と。

なんて素敵な言葉でしょう。

誰もがこんな風に「いらっしゃい!」と受け入れてもらえる日が日本にも来て欲しいものです。


 お二人の生き生きとして幸せそうな姿を見てポッと花が咲いたように心が華やいで温かくなりました。

素敵なカップルに幸多かれと祈ります。

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