第30話 東野圭吾さんの本にハマる

 東野圭吾さんと言えば、数多くのヒット作品を生み出されているミステリー作家として、誰もが知っている有名な作家ですよね。

 『秘密』(1998年)、『白夜行』(1999年)、『容疑者Ⅹの献身』(2006年)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2012年)、『祈りの幕が下りる時』(2013年) 等々、あげればキリがありません。


 しかし、私は東野圭吾さんの本を初めて手に取って読んだのはつい三年位前なんです。

それまで、彼の作品が映画化されたりドラマ化されて観たことは何度もあります。

が、何故か原作を読んでいなかったのです。


 ある日、私がヨガレッスンの時に、会場の建物内にある図書館で本を借りているのを見たヨガ仲間の人から

「これ、面白いよ。読んでみて!そして犯人が誰だと思うか教えて!」と言ってきたのです。

その本は、『どちらかが彼女を殺した』(1996年 講談社)というナニコレ?と言うようなストレートなタイトルで、東野圭吾さんの本でした。

「東野圭吾さんの本は読んだ事がないし、難しそう」と私が言うと

「大丈夫、読みやすいし面白いよ」と彼女。

それが、きっかけで初めて東野圭吾さんの本を手にしたのでした。


 そして、その日のうちに図書館で借りて、その日のうちに読んでしまいました。

驚いたことに、最後まで犯人の名が書かれておらず、推理の決め手を読者に考えさせるという他に類を見ない仕掛けの本格ミステリーだったのです。

注意深く読み進めて、作中にちりばめられた手掛かりを元に、推理を組み立てれば、自ずから犯人の名前が判明するという趣向でした。

私は、何度も前のページに戻って読み返して、容疑者を二人に絞り込みました。

一人は被害者の親友、一人は被害者のかつての恋人。

色々な証拠を元に、頭の中で考えていくうちにまるで自分が刑事になって捜索してるような気分でワクワクしました。

恐らくこの人が犯人に違いないと確信した時は、嬉しくなりました。


 翌週、ヨガレッスンの前に、この本を紹介してくれた彼女に

「犯人、分かったよ。多分〇〇」と言うと彼女も

「私もそう思う」と言いました。

実際には答えが書いてないので、当たっているのかどうかは分かりませんが、彼女と意見が一致したことが嬉しく、この本を十分楽しませてもらいました。

それがきっかけで、私はヨガレッスンの度に図書館に寄り、東野圭吾さんの本を毎回2~3冊づつ借りて夢中で読み漁りました。

どの作品も、惚れ惚れするほど面白く、なるほど、これが東野圭吾さんの作品なのかと感動しました。

いろんなジャンルの作品がありながらもテンポよく読みやすく思わぬどんでん返しに驚かされたりと読者を飽きさせず、主人公にのめり込んでしまうほど人間味に溢れているのも魅力でした。

ここの図書館にある全ての作品は読みました。

今までに出された本は100冊近くあるらしいのですが、50冊くらいは読みました。

まだ半分くらいしか制覇していませんが、あんなに一人の著者にハマって読み漁ったことは、後にも先にも東野圭吾さんだけです。




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