不思議なヘビ

子供の頃幼稚園に行きたくなくてよく泣いていた。小学1年になっても変わらず泣いていた記憶がある。

なぜ泣いていたのか…ただお母さんと離れたくない、それだけだった気がする。



家の近くに小さな神社がある。その神社の前の小道を通って家へ帰るのだが、ある日大きなヘビが小道を塞ぐように横たわっていた。まるで通せんぼされているように。

お母さんには、「朝に泣くからヘビが出たんだよ」と言われた。それから意識してみると本当にそのとおりで、泣いた日の帰り道にはヘビが横たわっていた。私は慣れたものでひとりでもそのヘビをまたいで帰れるようになった。

このときの話は大人になった今でも家族の中で時々話題になる。


今は神社の向かいにあった小さな林はなくなり、家が建っている。

ヘビは見なくなった。


きっとあのヘビは神社の守り神だったのではないかと本気で思っている。


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