第5話 同居してからから一週間、リビングで

あーあ、明日からバイトだよ。嫌だ。


十分遊んだからいいじゃんって……家の中でゲームとか映画鑑賞とかだよ?

それにまだ学校も行ってないのに無駄に夏休みの宿題出されたし。


まぁ時雨くんが教えてくれたおかげでさ、それなりに順調に進んでるけど明日からバイトもあるし嫌だなぁ。


別に文句じゃないもん。二年生の途中から入れる学校なんてそうないからね、うん。


……ねぇ、友達できるかなぁ。


あっちの中学や高校はあまり馴染めなくてさ。


昔から少なかったのもあるけど、全くいなかったわけじゃないよ。

て言っても女の子じゃない。


同性の友達はなんかその、気が合わないっていうか。無理に合わせるのが嫌で。


わかる? わかる?

無理に好きでも興味でもない人と一緒にいるの嫌だから自然と分かり合える人が同性じゃなかっただけでさ……。


その人は本当優しくて、誰からも好かれて。ちょっとお節介がたまにきずだけどいるとホッとする。

ふつう小学生の中学年とかになると男子って女の子といると恥ずかしいってなるみたいだけど、彼はそうじゃなかった。


……でも何も言わずに逃げたから。連絡もしたかったけどできなかった。

それが心残りかな。ふと思い出しちゃった。


えっ、いや、その……ただの幼馴染。仲が良かった、1番の親友。恋とかではないし。からかわないで。


ねぇ、そんなに謝るならじゃあ時雨くんの初恋の人はどんな人? ママには言わないから。


こういう話聞くの、映画やドラマよりも面白いかも。


わたしの方こそ揶揄ってないから。教えて、ねぇ。


好みが知りたいなあって。


いや、そのね。ママってマイペースだし情緒不安定だし。そんなママと付き合ってる人が前はどんな人と付き合ってたのか気になるし。


別にママから探れって言われてないよ。わたしは今度こそ幸せになってほしいし。ママには。




でも……でも……



なんでもない。



単純に時雨くんの好みが知りたいだけ。


教えて。顔真っ赤になってる。


距離近すぎ?

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