仕事に行きたいのにメイドの一言が気になって行けやしない!
仕事に行きたいのにメイドの一言が気になって行けやしない!
作者 タカ 536号機
https://kakuyomu.jp/works/16817139557314647792
剛立時鎌太郎は、親の跡を継いだ屋敷が広すぎるためメイドを雇ってみたものの、メイドの行動や言動に振り回されて遅刻してしまう話。
文書の書き方には目をつむる。
コントかしらん。
主人公は剛立時鎌太郎三十八歳、一人称俺で書かれた文体。自分語りで実況中継、コントのような掛け合い。描写は少ない。
絡め取り話法にそって書かれている。
父親である剛立時悠太郎が先月なくなり、相続諸々の手続きを経て家の主人となった剛立時鎌太郎は、広すぎる屋敷だからとメイドの新田宮古を雇った。
会社に遅れないよう行動すると、主従関係が破綻していく。
洗面所の巨大歯ブラシ、朝食の白米と卵焼きオンリー、バレないように仕掛けられた爆弾、密かに飼われているドラゴンなど。
メイドにかまけていたらすっかり昼過ぎ。遅刻となってしまう。
雇うべきではなかったといえば、ひどい裏切りだと言ってみつけた爆弾ボタンをうっかり落とす。
すかさず拾った主人公に、「危ない所でしたね、気をつけてくださいご主人様」と注意するメイド。
こっちのセリフだと叫びながら、毎日こんな騒がしい日々なのかと思うと嬉しい反面大変すぎると思うのだった。
メイドは、大きなものが好きだと思われる。
屋敷は広いし、部屋のベッド、シャンデリア、クマのぬいぐるみもでかい。
ベッドやシャンデリアはともかく、クマのぬいぐるみはメイドの趣味かもしれない。
モン○ンで手に入れたドラゴンや歯ブラシなど、とにかく大きなもの好き。主人公の親から継いだ会社も、きっと超がつくほどの大企業なのだろう。
朝食にはごはんと、卵焼きばかり並ぶ。
少なくとも十七皿(?)はテーブルにならんでいただろう。
主人公はこれらを食べている。
一皿に四つのっているなら、食べきるのはかなりきつい。
「さすがに大量すぎる卵焼きはきつかった」といって、食べ切れる量ではない。主人公は、それなりに大食いの人なのだろう。
メイドは、大食いの人も好きなのかもしれない。
ちなみに、なぜ白米と玉子焼きオンリーだったかと言えば、卵焼きが得意だからとこたえている。
なのに主人公は「理由になってないんだけど⁉」ときいている。
理由にはなっている。
ただ、主人公が納得できる理由ではなかった、ということだ。
爆弾を仕掛けた理由に、「ご主人様に与えられた命を果たせなかった場合に私もろとも消し飛ぶための言わば自爆」と答えている。
「いっけね☆」とかわいく付け足している。
あきらかにわざとだろう。
このあと、モン◯ンの世界に入って仲良くなったドラゴンを家で買っている話が出てくる。
おそらく、このドラゴンを主人公に咎められたときの殺処分のために屋敷内に爆弾を設置したのだろう。
モンハン世界に入るのは、企業秘密、と答えている。
彼女が雇われている企業の、企業秘密なのだろう。
きっと、彼女以外のメイドも、一癖も二癖もあるメイドがそろっていて、会社そのものが、通常とは大きく異なるのだろう。
「ハブラシで磨いてやったら、喜んでおれを背中に乗せて飛んでくれたもんね」とある。
ドラゴンの歯を磨いたのではなく、ウロコを磨いたのだろう。
たとえば、自分ではかくには難しい 頭の後ろや背中、羽の付け根など。
かまけてたら遅刻してしまうのだけれども、そのまま会社に飛んでいけばよかったのではと思った。
最後、主人公は「これから、毎日こんな騒がしい日々なのかと思うと嬉しい反面大変すぎる」と思ったとある。
彼女を首にしないのだ。
トラブルメーカーの彼女をなぜ首にせず、雇い続けるのか。
とりあえず、ご飯は美味しかったからだろう。
代わりを探すとなると、時間もかかるし、しばらくは雇うことにしたのだろう。
こういう心の広い主人公だからこそ、彼女のようなメイドを雇えたのだろう。
彼女には、まだまだ秘密がありそう。
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