憧れの次には
今度は外さなかった。しっかりと満足のいくサイズであった。上を被るときに鼻を通るスーとする匂いが好きだ。これは冬服の時も、今まで自分が初めて制服に袖を通した時もそうだった。この何か始まるような匂いは女装のことを抜いて私の好きなものの1つなのだろう。早速写真を撮る。もちろん、メイクも何もしていないから顔を隠すように首から下だけだが。そうこうしているうちに私服に手をつけた時から1時間。
この日は昼ご飯もこの格好で食べ、お天道様が眠りにつき始めるころより少し早い時間まで過ごした。片付けの時間を考え、念のため早めの時間に切り上げることにしたのだ。セーラー服を着ている間は自然と所作にも気が向くもので、座るときに何度も体育座りをしてしまい、スカートの中が丸見えになってしまった。いうまでもなく、それを見る人もみて喜ぶ人もいないのは百も承知であるが、何故か気を付けよう、という気持ちになった。他にも所謂「お母さん座り」や「女の子座り」を意識してするようにした。女の子座りは両足を外に向けて「ル」の字のようにするわけであるが、すねあたりが痛かった。それもあってかお母さん座りの方が回数は多かった気がするが、昼を過ぎたあたりには自然と座るときの足がそのようになっていたりした。
とまぁ、憧れの可愛くて清楚系の私服はお預けとなったが、夢は早々に叶うと勿体ないだろう、と今一度ここに記し、言い聞かせる事にしよう。
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